新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医療費に関して:両者の意見が聞きたい!

2008-10-19 23:36:20 | 医療

さて、最後に…かどうかはわかりませんが、この記事を紹介します

 

全国自治体病院学会:深刻な医師不足など報告 管理者らが現状紹介 /福井

10月18日17時2分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081018-00000230-mailo-l18  

福井市のフェニックスプラザを主会場に開かれていた「第47回全国自治体病院学会」は17日閉幕した。全国約1000の病院で働く医師や看護師、管理者が参加して地域医療の現状や取り組みを紹介したほか、医師不足による深刻な医療崩壊や自治体病院の苦しい財政事情を報告した。【菅沼舞】 

前日のシンポジウムでは、東京医科歯科大学の川渕孝一教授が全国の自治体病院の74・5%が経常損失を計上し、赤字に陥っていることを指摘。経営改善策として▽人件費の削減▽診療科別原価計算の導入▽市町村合併特例債の利用――などを挙げ、最終手段として民営化を提案した。 

また、済生会栗橋病院(埼玉県)の本田宏副院長は「電力会社は黒字にするため電気料金を値上げするが、病院は医療費に縛られている。理解を求めていくことが大切」と話し、医療費の増額を国に求めるよう訴えた。 病院管理者らが集まった17日の部会では、越前町国民健康保険織田病院の島田政則院長が、町財政の悪化による交付税措置額の一般財源化や医師・看護師不足など厳しい内情を報告。後発医薬品の利用や一部業務の外部委託などの財政スリム化策を示した。 

◇医療破壊、落語で伝える--笑福亭松枝さん、将来を話し合う部会でおもしろく語る 自治体病院の将来を話し合う部会では、上方落語の笑福亭松枝さんが民営化でもうけ重視に転じた病院の悲喜劇を語る創作落語「ストップ・ザ・医療破壊」(笑(しょう)工房作)を披露し、集まった医療関係者らを沸かせた。 

話の舞台は赤字で民営化した国立病院。やり手の不動産屋が経営者になり医師や看護師を減らし、患者に大量の薬を売りつけるなど利益主義を進める。松枝さんは、「患者のことを考えて診療する病院は青息吐息なのに」と不満を漏らす老人2人が激務で倒れた看護師を見つけるといった話を、おもしろおかしく語った。 

年ほど前に北陸の病院労組の依頼で練り上げた演目で、これまでに100回以上の上演を重ねたという。笑工房の小林康二社長は「難しい話は寝てしまうか、忘れてしまう。おもしろい話で笑ってもらいながら医療崩壊の現実をわかりやすく伝えたい」と話した。【菅沼舞】

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この内容の中で一番注目したのは最後の段落の「7年前」です

 

医療現場は・・・1990年代後半から「厳しい」と言われ始めていました。僕も医大に来るまでは全く知りませんでしたが、情報をいろいろ集めるようになり(インターネットが発達したのが大きいですよね)、2000年ころにはかなり厳しいと思っていました。

まぁ、「だからどうした」とも思っていましたが・・・。その方が面白いかもしれないと・・・。

 

 

7年前、2001年にはこのような落語が出る状況だったにもかかわらず・・・という意味では国の責任は大きいといわざるを得ないのでしょう。 アメリカであれば…このあたりでかかわっていた政治家や官僚はすべて首を切られてもおかしくはないのに…とは思います。

 

責任の所在が不明確なのは日本の良いところなのか、悪いところなのか・・・。悪いところでしょうね。

 

欧米社会であれば責任者に対して責任者として責任を取らせます。その代り待遇もよいわけですけど・・・。

一方で日本の場合は、その責任の所在が不明確だとは思っています。

 

・・・まぁ、いまさら責任の所在がどうのこうの言っても仕方がありません。現実としてどうするか。 実はずっと考えていることがあります。

 

医療現場に人手を増やす方法はどうにかなると思っています。個人的にはいくつか考えを持っていますし、そういう話を何人かの方にはしたこともあります。

わからないのは医療費のことです

 

医療費を増やすこと・・・医療従事者、医療関係に金を投じることがどうなるのか? 医療費亡国論が現実的ではないだろうと思うのは、僕も同感です。

 

今は医療費を増やす方向に持っていくこと、医療従事者を増やすこと。これが絶対条件だと思っています。

 

しかし、医療費を絶対に増やしてはいけない・・・と考える人の考えを聞きたいようにも思うのです。

 

 

以前、英会話のプライベートレッスンを受けていた時、何回か先生と飲みに行ったりしましたが、その時彼も言っていました。

「この制度は不公平である」

と。 結局保険料の多くを払っているのは若い世代だし、逆に病院にかかっているのは当然お年寄りが多い。英会話の先生曰く

「月に50000円くらい保険料払っているけど、私は年に一回医者にかかるかかからないか。多くの人はそうだろう。 さらに悪いことに、福祉も年金も日本は充実していないから、(僕たちが)年を取った後大変だよ。」

 

北欧の方の話もありましたが、あれはあれで大変だということ。どちらが良いのかはわかりませんが、別に偏る必要はなく、両者の良いところを取りたいと思うのが本音です。

 

ただ、いずれにせよ「医療・福祉に対する投資」の低さが日本を将来的に不安にし、安心した社会を送らせないようにするだけでなく、将来のそういった事象を考えて貯蓄する方向に向かっており、消費が下がると思っています。

 

逆に福祉や医療を安定させ、国民の安心を図ること。これが消費を促進させると思っていますし、今働いていない人たちの中で介護や医療関係にたず割る方々が大勢出てくれば、様々な問題は解決しそうですけど。

 

 

ただ、その医療費をどこまで伸ばしたらよいのか。 国民の自己負担をどこまで上げるのが了解されるのか。結局は将来の不安があり・・・自分たちが払ってきた保険料・年金が自分たちの老後に役に立つのかわからないと多くの人が思っているのでしょう。

それゆえ、将来のために貯蓄するわけで・・・。

 

更によくわからないのが、実は年利の問題と物価の問題。なぜ、裕福とされている日本が実際は裕福でないように見えるのか・・。

この問題はまた時間がある時に考えるとして・・・

 

 

まとめます。

 

医療の問題は以前から上がっていました。注目されてきたのが…それから5,6年たってからだったというだけです

今、問題を解決するために動きださなくてはなりませんが・・結局人を確保するにしても何をするにしても「お金」の問題が大きく絡みます。

 

医療費を上げるということはどういうことなのか。医療という産業にお金をつぎ込んでいくことにより、どれだけの産業の発展が見込まれ、どのくらいの就労人口が確保できるようになり、どれくらい国民の安心が上がって消費が伸びるのか

 

そういった複数のことがまだわからない、というか調べる時間がなくなったというのがあります。

 

何故、国は方策を誤ったのか?誤っていないとすれば、何がそう考える根拠なのか?それが知りたい。すごく知りたいのです

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なかのひと 

医療費の問題が解決できれば、医療の再生に関しては道が開けます。自分たちの領域にも発展が見込めるとわかれば経済、財政関係の部署も動くのでしょうか?

 

僕は医療の発展、福祉の発展は必ず全体のために寄与すると思っています。周り回って、最終的には経済の発展にもつながると感じています。

 

ただ、それを理知的に説明するだけの情報・材料がない。正直調べる時間もなくなってきています。だから、いろいろな人の話をまた聞きたい。そう思っています。

 

話が長くなりましたが、いったん記事を終了します。

 

今から読書などに時間を使います。 昼に3時間も午睡をしてしまったため(昨日の分だとしても)、全く眠くありません。困ったものです。

 

明日も朝が早いから、ある程度時間がたったら寝るように努力しようかと思っています。

それでは、また。

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ど~でもいい話:僕と状況

2008-10-19 22:46:23 | ど~でもいい話

と、いうことで次の記事に行きます 。ど~でもいい話ですが、今の状況に関していろいろ思っています。

 

最近は患者さんのこともそうですが、研修医のことが気になっています

一人ですけど・・・少し手が回らなそうな感じがします。いっぱいいっぱいになっていますね

 

かといって、気をまわしすぎると本人の自己評価・・つまりプライドが傷つきます。それは将来のためにならないでしょう

研修医の時にだめなんだ…と思ったら、それをひきづってしまうかもしれません。

 

かといって、そのままにしていたら患者さんにも負担がかかりますし、本人も完全につぶれるでしょう。一人がつぶれれば、血液内科の重症度は高すぎるので(普通の悪性リンパ腫は外に出してしまいますので。だいたい急性白血病か悪性リンパ腫でも全身状態が悪いか、再発してきて普通の治療ができない人だけですからね・・・。)他の研修医の負担が増えて、ドミノ倒しに潰れてしまいます

 

僕が研修医のころ、ひとり潰れてしまって、その後2ヶ月間僕が14~18名常時患者を持っていて、基本的に2時までいて6時に病棟に来るというサイクル(だって、必ず一人は状態が悪いんですもの)を繰り返していたことがあります。

 

自分で言うのもなんですが、僕はそのあたりが苦にならないタイプなので大丈夫ですが・・・。それでもその状況で複数の患者さんが亡くなる方向へ向かう荒れ方をしてきた時に、仕事が増えた上に本当に不眠不休になってしまって、倒れかけました

上の先生方がカバーしてくださったので助かりましたが。

 

1週間だけですが1日1時間以下の睡眠時間だったことがあるというのが実情です。

 

 

今回のグループは何かあれば僕が泊まり込んででもあと1カ月くらいのタームをどうにかするつもりですが、そういう状況にならないことを祈っています。

ま・・・眠らない医者・・・と名乗っている以上、ハイテンションで頑張りますけどね。

 

病棟には研修医に連絡が取れなければ、すぐに直通で夜間でも何でも僕のところに連絡するように言ってありますし、僕は起きないということは死なない限りないと思うので、連絡は付くでしょう。

 

すべての診療科、すべての病院でそうかどうかはわかりませんが、基本的にはこういう生活をしていなかったら日本の診療は維持できないのが現実ですね。

 

それを知ったからこそ、学生時代から厚労省にメールしてみたり、こんなBlogを作ったりしているわけですけど

 

100%毎日が首が回らなくなるほど忙しくはないかもしれません。7割くらいでしょう。3割は少し落ち着いている(かといって帰るのは夜の10時くらいになるのでしょうけど)と思える日があります

 

ただ、この生活を数十年続けられるかといえば、難しいでしょうし…家庭を持ったりすればさらに難しいでしょう。

 

僕は自分の生活はほとんどないですから、このような状況でもよいと思っています。Vitalityにあふれているタイプで、自分の生活があまりなく・・・・本当は釣りとかランニングとか、スキーだとか行きたいけど・・・こりゃ患者さんのことを思ったら無理だな…と思っているような人間であればまだ持ちます。

 

しかし、僕にたとえば恋人ができて、そちらの人間関係も保ちつつ、病棟も診ながらというのは現実的に不可能でしょう。

 

全体の幸福を考えれば、今の状況がベストでしょうね。僕は臨床面やそこで得た様々な知識(いろいろ面白い症例や、新しいことにつながりそうな発見をしているように思えますので)を活用できるように努力し(これも僕の幸福でもある)、病棟の患者さんの安定化を図る(全身管理が大好き)。

 

患者さんにも指導医の先生にも、他の友人にも研修医にも、僕自身にもベストな状況は今の状況を保つことだと思います

 

そしてこのBlogですかね。このBlogは僕の精神安定剤みたいなものでしょう。すべてを抱えているよりは、すべてではなくとも一部を吐き出せる場所を作っておくのは重要ですから。

 

それにど~せ家族にも誰にも、僕の本当にきついところは言わないですよ。家族とかは気がつくかもしれませんが・・・w

まぁ、その前にきついと思っていない可能性はありますけど・・・・。

きつい経験をしているな~くらいに思えるようになってきました。僕もそういう意味では大人になっています。

 

だらだらと書きましたが、現実として医療現場はかなり厳しい状況にあるということは間違いありません。その状況を多くの人が知り、将来の日本の安定・安心のために・・・医療現場が改善することを祈念しています。

 

すべてを一気に変えないと、どこかにひずみが生じるような気がするので…複数の省庁が協力して歩みを一斉に進めないとダメでしょうけど、その協力ができるのか…現場から眺めております。

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なかのひと 

流石に今はそんなことまで口を出せる状況ではなさそうなのでw

それでは、また。

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厚労省でも警察でもいいから取り締まってくれ・・・

2008-10-19 22:04:31 | Weblog

こんばんは

 

当直明けです。

昨日は外来も多く、病棟も荒れており、なかなか寝ることもあたわず・・・というところでした。

まぁ、全体的に最終的には落ち着きましたが・・・。

 

昨日もその大荒れの中、こんな電話が・・・

教授と○▽先生のお知り合いという、横浜市立大学の○○先生から電話です。電話に出ていただけませんか

・・・・・(すっごいあやしい。だったら、直接電話しろよ!)

「わかりました。何番に回してください」

・・・・・・・・・

「すいません。こちら・・・・社の■◆と申します。税金の・・・・

「お前、大概にしろよ?」

びっくりする周りの看護師さん。その後言われましたが、電話受け答え丁寧で、優しい雰囲気でしゃべっているということなんですけどw

僕も血液内科医ですから(関係ないか)、予想していてもこういう電話が来ると腹が立って仕方がないのです。この電話で誰が幸福になるかって、誰も幸福にならないじゃないですか。最終的にマンションがどうのこうのになるわけですから・・。

マンション売りたいのはわかるけど、自分たちの利益のために多くの人間の不幸になることをする人間は嫌いですw 

だから…予想通りだったにもかかわらず・・・

いま、お前、何といって電話かけてきた?ふざけるのもいい加減にしろ。こっちは人の命かかっているんだぞ?

「このような電話はすでに何回もありますか?」

「当直ごとに毎回ありますけど?いずれにせよ、間に合っています!」

電話を切る!

 

こっちは患者さんが二人荒れている状況で、交互に個室移動しているのに、なんてアホな電話かけてきやがるんだ!

 

その状況は深夜に及び・・・安定したのは0時過ぎ・・・。午前中や電話で応対可能な人は受けておりましたが、夜間はまだ安定していなかったため23時頃の電話は断りました

かかりつけではなかったことと、二次救急レベルであったこと、何より僕が病棟から動けなかったこと

 

で、ようやく落ち着いてきたのが1時半~2時。

当直室に引っ込んだのは2時過ぎで、アラームで目が覚めたのが2時40分ころ。

「大丈夫です」

看護師さんからの一言で、ふたたび当直室へ

 

とても浅い睡眠で、起きたのはその後4時間で5回ほど。

今日も言われましたが耳がすごくいいので、少しの音を聞き分ける上に複数の声を判断してしまうため・・・・当直室の隣の個室の音も、ナースステーションのアラームも聞こえるという・・・・。

 

すごく疲れた状態で今日の昼過ぎまで仕事をして、さすがに疲れて家に帰ったのが2時過ぎ・・・

 

本を読んだり、片づけをしたり、クリーニングを回収して・・・流石に疲れて少し休んだら・・・ 気がついたら3時間たっていた!

 一日の睡眠時間確保だよw

 

そんな感じの当直でした。

思わず当直日誌に

あのような電話(どこぞの業者)がかかってくること自体が、診療に差しさわりがある。何とかしてほしい

と書いてしまいました。

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なかのひと 

僕の予定では夕方過ぎに血中薬物濃度と電解質の報告が来るはずが、まだ来なかったので、さきほど電話をしました。まだ、有効血中濃度に達していないようなので追加で静脈注射するように指示しました。

 

これで・・・おそらく今日の当直が血圧の下がるような不整脈に悩まされることはないと思いますが・・・。

いずれにせよ、あ~いう電話を本当に取り締まってほしい。当直もかなり忙しく何やらかんやらやっているのだから!

本当はそういう状況じゃない方がいいのでしょうけどw

 

それでは、また後ほど。

コメント (3)
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