新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医療と予算制:医療費抑制の問題点が見える・・・

2009-01-21 23:16:41 | 医療

さて、少しだけまともな記事を書いておきます

 

さて「医療の予算制」に関してご存知の方は多いと思います。フランスなどで行われていますが・・・一部日本でも予算制で動いている病院があります

 

ま、そんな病院のことを考えながら「今の日本の医療費」で予算制を組んだらどうなるだろうか…ということを考えてみました(笑

 

まず「予算制」のためいろいろ問題があります。

病院ごと、地域ごとに総予算が決まっているわけです

 しかも国の医療費が異常に少ないw

 

 

ある病院。そうですね。A病院としましょうか

その病院は総合病院で・・・すべての診療科がそろっています。その地域には・・一部・・・例えば「血液内科」など他の病院には存在しない診療科もあるわけです。

 

その場合、患者さんが集中するわけですが・・・ 患者さんを何とか頑張って診ていたら

予算がなくなる。患者さんをどうにかして診なくてよいようにしなさい

というアホなお達しが来ることにわけで・・・・(たぶん、予算制なら)

 

それで医者は泣く泣く「患者さん」をTriageして「助かる可能性の高そうな」「若年者」などに医療費・医療従事者をつぎ込むわけです。

 

もっとも・・・地域住民に対する医療を提供することも重要な役割である以上、そういった病院が「予算がないから」という理由で診療抑制をかけるわけにもいかないとは思うのですが、現実的に予算がなくなったら動けなくなるのでしょう。

 

病院ごとに配分される予算も・・・・・そもそも予算が少なすぎて「医師数も看護師数も少ない」「医療を提供しようにも十分な医療を提供できない」ということが起こりうるだけでなく、「頑張ったら頑張った分だけ、無駄に予算を使うなと怒られる」ということも生じるのだろうw

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なかのひと

フランスで「総予算制」が成り立つ理由は・・予算を超えたときの対応方法もしかり、高いGDP比率もしかり・・・・そして私的保険の有効性や意外と高い自己負担金などの影響で受診抑制もかかりうることなどもあるのだろうけど・・・・

 

今の日本の医療では絶対不可能だな。

 

特にオーバーした分は「病院負担」となれば、病院から給料をもらう「医療従事者」に直接の負担になるわけで、そうするとアクセス拒否などにつながりかねない・・・。

 

ふと、総予算制にしたらどうなるかという「退行的」な話を書いてしまいましたが、現状の問題点が浮き上がってきませんか?

 

わざとこういう記事を書くことで「医療費が少ない」ということがどういうことを将来起こしうるのかを現わしてみたつもりです。

 

医療費を抑制しているということは「総予算制」「総枠予算制」とほぼ同等のことを日本全国でやっているようなものです

 

それは最終的には「患者さんを診ない。診れない」ということにつながり、患者さんの…すなわち国民の不幸につながるというわけですね

 

少し具体的に問題点が浮かぶような記事を書くことができましたでしょうか?

無理かな~。思っていることを表すというのは難しいものですね。

 

さて、明日も忙しいので今日はこのあたりで・・・。

では~

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研修医の重要な仕事は報告!

2009-01-21 22:06:31 | Weblog

こんばんは

今日はかなり早めの帰宅です。

病棟が落ち着いているのもそうですが、若干怒っていますので

 

何を怒っているかというと・・・・

個人的にはできるだけ研修医の判断というのを聞いて・・・「何でそう思うのか」とか「どう考えて、どうしたいのか」ということを聞いてやりたいと思っていますが・・・

 

最悪でも報告せんかい!

 

個人の判断で動けるものもあるけど、お前・・それってたまたま小耳にはさまなかったらスルーしていたんか?

 

研修医が今の研修制度ではお客様になりかねないというのはある。それは大きな問題ではある。

 

僕のような勝手にしゃしゃり出るタイプでない場合、「君はどう思う?」と水を差し向けることは非常に重要なことだと思っているので(伊達に今すぐにでも実行できる研修改善策として提出したわけではない)実行しているが、勝手にやって報告もなしというのは許さん

 

というより、最悪でも報告がなかったら「最低限の処置」をしていなかったり、判断ミスがあった場合どうするんだ?

 

まず第一に患者さんの不利益になるし・・・。

研修医の責任になるぞ?

 

報告さえしていれば研修医の責任ではなくて、報告を受けた医師の責任になるわけですけど・・・・。

 

直接の担当でなくても、血液の全患者28名位全員把握しているから僕の所にでも来ればいいものを・・・・

しかも報告がなかった場合は「監督責任」とかもあるし、研修医も責任取らないといけないし

 

 

 

僕はいつだって

これでいいのか?患者さんのために最良の手段なのだろうか?

と思ってやっています。恐らく医者である以上、一生そういう気持ちでやり続けることだと思います。

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なかのひと

いくら研修医だからと言って「患者さんにベストを尽くす」というスタンスには変わりはあってはならないわけで・・・。

(ま、一部には本当にお客さんと化している場所もあり、そういうところではいろいろあるのかもしれませんが)

 

にもかかわらず・・・・お前ら~

抗癌剤漏れて報告なしか?

しかもAraCみたいに皮下注するような薬ならともかく(それも知らないだろうが・・)、ビンクリスチン(VCR)とドキソルビシン(ADR)漏れて報告なしか?

 

たまたまいたからいいけど、お前らルート再確保しましたじゃないからな・・・。

 

次報告なしだったら「手駒」としてしか扱わないからな・・・

 

 

患者さんの不利益というのを考えたら、何をやるにも怖くて仕方がないと思うのだが・・・。

僕が研修医のころは「こういう対応をする」という自信があっても、

すべての判断情報を報告して自分のプランを伝えて実行する

ようにしていたが・・・・・

 

「報告なし」は僕の中では「こいつら何も考えてない」という風にしか思えないのですけどね・・・

 

患者さんに対する責任というのをどう考えているのだろうか?

 

そう思っていたら、だんだんイライラしてきたので病棟から撤退しました。幸い病棟は安定していますし、流石に報告するでしょう。何かあれば・・・。

うちの連中はこっちの意図が読み取れないほど「馬鹿」ではないと信じます。

 

今日はこのままおとなしく自己内省の時間にしたいと思います。

では、また。

コメント (9)
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