新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

勤務医の診療時間ってどこまでだろう?

2009-01-27 00:31:40 | 医療

こんばんは

今、帰りました。

今日はそれなりに落ち着いておりました。自家移植を行っていた患者さんも退院できそうですし、他の患者さんも何人か退院可能になりました。

また、他の診療科から相談を受けていた人も診断がつきましたので、これから抗癌剤治療です。

 

また、二度目の寛解導入療法で完全寛解に入った患者さんの家族から説明を求められ…などをしているうちに7時過ぎ。他病棟に入院中の患者さんを漸く自分たちの病棟に下ろせるようになったので、その調整に動き・・・・その後、事務仕事などのために医局へ戻り、病棟に戻って患者さんを回診して回り(tumor lysis syndrome起きていたり・・・汗)・・・・

 

ま、いろいろやっています。

 

合間の時間に・・・当然全ての患者さんを「どうにかしたい」のですが、治療方針がいまいち決まらない患者さんの治療方針を模索するために論文をあたり・・・。

 

さて、ここでふと思いました。こういう時間って「診療時間」に含まれるのだろうか?

こういう時間(論文などを調べる時間)も最近、「自分の時間を使って好きなこと(勉強)をしている」というような表現をされたりするわけですが、「好きなこと」というよりは「患者さんのために時間をかけて調べている」のが正しい表現でしょう・・・と思う。

 

例えば今日調べていたことの一つは・・・・僕より若い年齢のFollicular(FLIPI2点)って「R-Chemo+R Maintain」と「Auto SCT」をFirst Remissionの地固めとして使うのとどちらが良いのかということですけど・・FLIPI>2(3以上、High risk)でなければ二次発癌なども考えると・・・SCTはRelapse後とした方がよさそうかな・・・。

とか、自分なりに方針を決めていたら0時前でした

別にどういう風に認識されようとやることは変わらないのですが・・・こういう調べ物をしていたりする時間は「診療時間ではない」という意見もあるのでしょうね・・・。

 

例えばCBの今年1月6日の記事ですが・・・

医師の勤務時間「研究などは分けて把握を」

1月6日15時51分配信 医療介護CBニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090106-00000005-cbn-soci  

昨年4月の診療報酬改定に関し、厚生労働省は同12月26日付で、医科の診療報酬点数の算定方法をQ&A形式でまとめた通知「疑義解釈資料について(その6)」を都道府県や地方厚生(支)局などに送付した。「入院時医学管理加算」や「医師事務作業補助体制加算」「ハイリスク分娩管理加算」を算定するために必要な勤務医の勤務時間の把握について、院内での研究など直接業務に関係のないことを行っている時間は、「分けて把握することが望ましい」とした。ただ、これらの時間を明確に分けることが難しい場合には、勤務以外の時間を含むことを明確にした上で、合計時間を把握するよう求めている。  

 

また、入院時医学管理加算の施設基準に盛り込まれた「治癒」の定義の中で、退院後に外来通院の必要が全くないか、「またはそれに準ずると判断されたもの」との表現については、「それに準ずる」に該当するものが「基本的にない」との考えを示した。 

同省が昨年10月15日付で通知した疑義解釈資料(その5)では、治癒について、「退院後に外来通院治療の必要が全くないか、またはそれに準ずると判断されたもの」と定義していた。 

これに対し今回の通知では、▽胆石などの手術後に一度だけ受診し、抜糸などを行う▽腎結石を取り除いた後、定期的なエコー検査のために通院するなどフォローアップを受ける▽骨折や脳梗塞の後の通院によるリハビリなど、けがや病気に付随する処置を受ける―などの場合について、「それに準ずると判断されたもの」に「いずれも該当しない」と指摘。その上で、「それに準ずる」に該当するものは「基本的にはないと考えている」としている。  

通知ではまた、診療状況を示す文書を添えて、別の医療機関に患者を紹介した場合に算定する「診療情報提供料1」について、「紹介先の医療機関を特定せずに、診療状況を示す文書を患者に交付しただけの場合には算定できるのか」との質問に、「算定できない」と回答。  

このほか、「医療機器安全管理料1」の算定対象として認められている「人工呼吸器」に、全身麻酔の際の麻酔器は「含まれない」との解釈も示している。 

同管理料は、臨床工学技士を配置する医療機関が「生命維持装置」を使って治療する場合に算定する。生命維持装置として具体的には、人工呼吸器のほかに人工心肺装置や補助循環装置、血液浄化装置などが挙げられている。

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必要な勤務医の勤務時間の把握について、院内での研究など直接業務に関係のないことを行っている時間は、「分けて把握することが望ましい」

 

直接業務に関係ない・・・。どこまでが関係ないのだろう・・。

 

事務作業・・臨床としては無駄な時間だが「患者さん、および患者さん家族」にとっては保険の手続きなど非常に重要な問題である。

それは医師の手書きの文書が必要になったりするため、毎日のようにそういった「事務作業」をしなくてはならないが、そういったことも「直接業務に関係ない」のだろうか?

 

診療方針を決定するために「論文などを読む時間」は「直接業務に関係ない」のだろうか?

 

将来の世界の医療を作っていくための研究は「直接業務に関係ない」のだろうか?・・・・

これは関係ないなw

 

しかし、研究という分野も必要であり、特に「Translational research」は将来の医療のためには必要であり、直接業務に関係ないからお前は仕事をしていないと言われるのであれば「どうしようもない」としか言いようがないと思う。

 

別に家族との時間や自分の時間を捨ててまで研究を行うとすれば、多くの患者さんのためになると信じて研究をするからである。少なくとも僕はそう思う。

 

 

皆様は「医者」が「自分たちを治したりする方法を探したり、開発したりするのに使う時間は勤務時間ではない」と考えられますでしょうか?

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと

と、少し問題提起してみたところで、僕はこのあたりで・・・。

では、また。

コメント (3)
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