新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

研究したい?

2011-11-03 16:26:36 | 医療

こんにちは

 

先程記事を書いた後、掃除などをしておりました。ようやく一区切りついたので、飲み会に行く前に一つ記事を書きたいと思います。

 

昨日、後輩の医師からこんなことを言われました。

先生も博士号は取られる予定ですよね?どんな研究をしたいと考えているんですか?

 

うちの大学は7,8年目以降でないと博士号を取ることはできません。また、博士号を取るというよりは「臨床をしたいから大学院に戻る」という本末転倒な話も聞かれます。

 

まぁ、そういう環境だからか・・・この質問に少し驚きました。

 

どんな研究をしたいか・・・といわれたら、こんな研究やあんな研究をしたいけど・・・そもそもそのノウハウがあるかは別だからな~

という話をして、基本的な話をしました。基本的に研究といっても大学ごと(診療科ごと)に得意・不得意があって、大学院に行くといってもその診療科で行っている「得意な研究テーマ」から研究内容は派生していくので、こんな研究がしたいといってもできないだろうし、仮にやらせてもらえたとしてもノウハウはない可能性がある

 

うちの教授には「どんな研究がしたいか言えば、それをさせるつもりはある」と言われましたが(これはかなり特殊だと思う)、僕もノウハウがわからず誰も指導できないようなものであれば大変だよね~と思っています。

 

僕はいつも思っているのは「患者さんに還元できるような研究」であって、可能であれば理論構築ののちに疾患モデル動物による「治療実験(と書くと動物愛護団体に怒られてしまうかもしれませんが)」に進むことができたらなぁ…と思っています。

そのためにこれから一年は「英語の勉強」と「教科書的な勉強」を集中的に行うつもり(今できることに集中する)です。

 

ただ、先ほども書きましたが基本的には大学院というのは「その診療科」で行っている研究の延長を行うのであって、もし「~のような研究をしたい」というのであれば、そういう研究をしているところに行き、指導を受けるべきであると思っています。

 

ただ、博士号を取りたい…というだけであれば、あまり深く考えずに大学院に入りやすい(母校とか)のほうが良いのだろうと思います。

 

だから・・・本当は「研究がしたくて・・・というなら大学院を本気でどこに行くか選択しないとね」と言いたい。だから、僕は今一緒にいる同期、後輩たちに

研究がしたいのか、博士号がとりたいのか。それを見定めて、これからの進路・行動を決めるべきである

と言いたい。まぁ、そんなことは言わなくてもみんな考えているんだろうけど・・・。

 

大学院へ行くのは「研究がしたいから」なのか「博士号が欲しいだけ」なのか。うちのように大学での臨床を行うために大学院へ行く人もいる(我が大学は後期研修が終わった後は大学院かスタッフ以外は戻れないので)かもしれませんが・・・・

僕はさしあたっては「戻る方向」で考えていますが・・・。

 

僕は研究がしたいです。

研究を通して「目の前にいる患者さん」以外に目の前にいない患者さんに貢献がしたい

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そう思っています。

 

では、また。

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診療科の選択に関して

2011-11-03 15:00:18 | 医療

こんにちは

 

月曜日から水曜日まで…地図を片手に地域の勉強をしておりました。なんだそりゃ・・・と思われるかもしれませんが、そんなことをしていました。

 

で、今朝まで仕事があって、それを引き継いで先ほど帰ってきました。しかし・・・このあと友人と飲む約束があるので、再び東京に向かいます。

先程、コメントに彩子さんという受験生の方がコメントをくださいました。受験の時点で血液内科を目指したいということで、僕は素晴らしいな~と思いましたが何事も「点と線」で目標を定めると、時折身動きが取れなくなることもありますので・・・僕を一例として診療科の選択に関して書いてみたいと思います。参考になればよいのですが。

 

その前に・・・僕は小学1年生の時から生物学者志望でした。医師も考え始めたのは高2の秋でした。修学旅行中(5泊6日)、最後に京都から札幌に帰る夜行列車のなかで友人とそのような話をしたのがきっかけでした。

ちなみに高校は僕は「部活命」の人間で(そのくせインターハイには行けず・・・orz)勉強はしていませんでした。それ故、高3の夏から1日15時間以上は頑張って勉強し、マルチプルチョイスでは河合塾の模試で404点(800点満点)だったのを700点Over、記述は偏差値32まで下がっていたのを65まであげましたが、医学部を受ける自信はなかったので「北海道大学 理学部 生物学科」を受験しました。北大・生物は高2までの第1志望でしたし、もともと北大生物に合格できると考えて動いてましたので・・・。

一応A判定、A判定だから落ちはしまいと思って受けたにもかかわらず、あっさり不合格w 後期試験は自信過剰にも出願してなかったので、現役の試験はこれで終了w

高校の友人からは「死ぬんじゃないぞ」というような電話までかかっていましたが、この時点でどういうわけか

「これは僕に医学部に行けということだろう」

と自分に都合よく(w)考え、医学部に入りました。こんなに適当な考えで医学部に来て、今では「医師が天職」と思っている次第ですw

 

この時点ではもともとスポーツ大好き人間でしたし、入学当初はスポーツ医学関係の先生とコンタクトを取ったりしていました。

 

しかし、病理学とかいろいろやるうちに「がんが面白い」と思うようになりました。

 

がんが面白い。腫瘍を根絶できるようなそういったことをやってみたい・・・と思いどういった診療科に入るのがいいだろうか・・・と。

 

循環器内科の先生に

「おれは腫瘍が嫌いだ。だから、循環器内科にした」

と言われたりしましたが、僕は逆にほとんどの診療科を腫瘍という面から眺めてみたり・・・。

 

要するに「臓器別の勉強」と「(腫瘍という面から)横断的に勉強」していました

 

ここで腫瘍をやるといってもいろいろ考えがあります。過去に記事に書いたと思うのですが(何せ、もう6年書いてますから)、僕は抗癌剤治療や免疫療法に興味がありました。

手術は逆にしたくなかったw

 

抗癌剤治療をよく行う診療科・・・として僕の中にあったのが

1、血液内科

2、産婦人科(婦人科癌)

3、乳癌

4、泌尿器科

5、整形外科(骨肉腫など)

でした。

 

小児科の腫瘍は考えませんでしたね、そういえば?

 

当初はスポーツ医学+骨肉腫など・・・を考えましたが、当大学の整形外科は両方ともありませんでした(笑

そこで終了w

 

で、いろいろ考えていくと血液内科というのは本当に「自分の診療科で自己完結している」ところが大きいと考えました。

 

診断から治療までほかの診療科に頼むことは少ない

これは上でにあげた診療科はそのような傾向は強いと思いますが・・・やはり、Medical oncologistとの共同作業になります。手術は外科の力を借りなくてはならない。

両方とも一つの診療科でやっている・・・というところもあると思いますが、一人の医師が両方とも完璧(というのはないかもしれませんが)にできるというのは…人間という枠の中ではなかなか難しいかもしれません二兎を追うものは一兎を得ず…になりかねない

血液腫瘍は外科的には切れませんので抗癌剤治療のスペシャリストであれば(それは同時に合併症の対応もできるということですが)よい

 

2つ目に臨床と研究が近い位置にある。臨床検体から癌細胞を得るのも比較的(というよりも、圧倒的に)簡単である。Translational researchがしやすいと考えた。

研究結果が患者さんのためにならないのであれば…医者としてその研究は自己満足でしかないかもしれません。可能であれば患者さんのために役立つ研究をしたい。そう思うのが「医師である研究者」だと思っています。

 

3つ目に免疫療法などを考えると「免疫細胞=血液細胞」

 

であり、このようなことを考えると血液内科を選択しようという結論に至りました。医学部5年の時に決めました。

 

これは僕の思考過程です。

 

彩子さんのような前向きで「医者として頑張りたい」という方にはぜひ医者になって(血液内科にぜひw)いただきたいのですが、まずは医者がすべてではないですよ~というのが一つと、医者として頑張っていくにも勉強したうえで興味や実際の現場を見て決めてください

 

血液内科に興味があるのであれば・・・やはり、大学を選ぶ時点でそのことも念頭に入れたほうが「研究」などはしやすいかもしれません。

 

しかし、今はマッチング制度もありますので医学部に入ってから、自分の興味を見定めて、そののちに自分のやりたいことをやっている大学や病院の研修(後期研修、大学院)を受けることも可能であると思います

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だから、すべて今の時点で決めなくてもよいのではないかと思います。

それでは、また。

 

コメント (2)
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