新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

開業医の課税特例:へき地医療限定にしたら?

2011-11-14 21:36:57 | 医療

もう一つがこちらの記事

 

 開業医や小規模な医療機関を対象にした社会保険診療報酬の課税特例措置について、政府税制調査会が、廃止を含めた見直しの検討に着手することが11日、分かった。実態よりも多い経費が認められているといった問題点があり、会計検査院が「他の事業者との公平性が大きく損なわれている」と指摘していた。15日の政府税調で議題に取り上げ、所管の厚生労働省へ見直し案を求める方針だ。

 特例は従業員の少ない小規模な医療機関の事務を軽減する目的で設けられたもので、社会保険や国民健康保険などの診療報酬の収入が5000万円以下の医師や歯科医、医療法人が対象

 課税対象となる所得額を計算する際、本来なら診療報酬から実際にかかった必要経費を差し引くが、特例では一定の経費率を診療報酬に掛け合わせた額を概算の経費と見なして診療報酬から差し引くことができる。経費率は診療報酬の額ごとに72~57%まで4段階に分かれ、報酬額が小さいほど経費率が大きくなる。

 会計検査院によると、本来の計算方法と特例のどちらを用いるか選択できるため、9割近い特例利用者が実際の経費も計算し有利な方を選んでいた。また、保険が適用されない自由診療で多額の収入があっても診療報酬が年間5000万円以下なら特例が適用されるため、小規模医療機関を支援するという本来の趣旨にそぐわないケースも目立つという。

 特例利用者1654人を調べたところ、適用された経費率の平均値は70.4%。だが、実際の必要経費が診療報酬に占める割合の平均は51.5%に留まった。その差額が1000万円を超える利用者も294人いたという。

 ただ、特例は診療報酬の低下に悩む医療機関の経営を安定させる側面もあり、全国保険医団体連合会は「廃止されれば小規模零細の医療機関や高齢の医師が閉院に追い込まれる」と見直しに反発

 民主党内からも「問題はあるが、廃止実現は難しい」(党税調役員)と慎重な見方も出ており、2012年度税制改正大綱に実際に盛り込まれるかは不透明だ。

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小規模零細の医療機関で年間に正式な計算で診療報酬が5000万以下というのは

1、すごいいい先生で「無駄な検査」をしない、無駄な薬も一切出さない

2、診療している患者数が少ない(へき地で頑張っている先生、評判悪い先生など・・・)

3、自由診療のほうが多い(?)

ということでしょうか?

 

…僕が書くと問題がありそうな気もしますが、診療報酬が少ないということは普通に考えたら患者さんの数を診ていないことになるわけで・・・むしろ集約化のためにも・・・という考え方もできます

 

僕だったらこの制度に条件を一つ加えて「へき地や過疎地域に診療所を出している個人の医師・歯科医師」というように場所の規定をしたほうが良いのではないかと。

そういう先生にいなくなられると困りますが、大都会の真っただ中でそういうことになっている開業医の先生なら道を変える機会にもなるのではないかと。

 

おそらく民主党の議員さんたちが迷っているのも「自由診療でもうけながらも、保険診療の報酬は少ない」という医師ではなくて、へき地医療で頑張っているドクターに対してということだと思うので。

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TPPと医療:医療を売るか?その前に売れるか?

2011-11-14 20:44:50 | 医療

もう一つだけ記事を書きます。

 

2つの記事を紹介します。

まずはこちら。

 TPPへの参加をめぐり医療分野では、参加により自由競争が持ち込まれることで、国民皆保険制度が崩れ、医療費の負担が増大するのではないかと懸念されている。

 NPO法人「がんと共に生きる会」(大阪市)事務局長の濱本満紀さんは「特に高額になりがちながん治療では、負担が増え、患者間格差が増大するのでは」と慎重な対応を求める。

 一方、大阪府が関西空港対岸を舞台に特区申請し、国外からがん患者を受け入れるなどする計画に参画している「ゲートタワーIGTクリニック」の堀信一院長は「日本の高度な医療技術を売り込む機会だ」と強調

 医療制度についても、「がん患者が新薬承認の期間の長さに苦しんだり、医師の技術力が反映されない報酬制度など国際基準で見直すべき所もある」と指摘。「現在の医療制度で堅持する部分を明確に主張すれば問題はない」としている。

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これもTPPに関しての考え方が割れたいい例ですよね。医師の立場としては金持ちがいい医療を受けることができて、金持ちでないといい医療は受けられない…というのはやはりいい気はしません

何故って、例えばですが…発展性が高い多発性骨髄腫の分野で話をすると、現在日本で使用できる抗癌剤のうち最近でてきた「新規薬剤」ボルテゾミブ(ベルケイドR)、レナリドマイド=レナリドミド(レブラミドR)、サリドマイド(サレドR)がありますが、アメリカなどではベルケイドの次の薬剤としてカーフィルゾミブの治験が進んでいますし、ハーバードかどこかで抗体も開発されています。そういった薬剤を使用しないと助けられない…といった患者さんたち(というか、助けられるかどうかは別として選択肢がない患者さんたち)は必ず出てきます。

 

使えるなら全員に使用できるようにしないと…とは思います

 

後者の意見は来れもまたわかる話で、医療観光のために…ということでしょうか。微妙ですけど国内向けではなくて、海外の「医療観光」を希望する人々向けにより高い最新の技術を提供するということでしょうか。

国内向けではなくて国外向けであれば…という気もしなくもないですが(どうせ保険は関係ないでしょうし)、導入したらきっとなし崩し的に国内の富裕層も行きますよね。だって、アメリカとかに行かなくても日本の中で設備も人材も整った病院が、保険は効かなくても受けられるのであれば受けるに決まっています。

 

まぁ、今の医療を受ける分には損はしないと思いますが、より良い医療を受けようと思うとき・・・

「あんなに高いお金を払うなら、私は潔く死ぬよ」

と、いう人は出てくるでしょう。過去にそういうことを言われた方はいらっしゃいます。

 

別にベースはあって…より良い医療を受けたいというのは今と変わりはないとも言えます。今でも海外に医療を受けに行っている人もいるじゃないか…と言われればそれまでです(外国に英語で紹介状を書け・・って言われた先生もいるみたい)。

 

その海外に紹介状を書くのではなくて、海外と同様のレベルの保険外診療の病院を日本に作り、医療サービスを日本の国益にするという考え方ですね。

 

もしかすると、そういう病院は特殊な治療を行うだけで基本的な処置は一般病院のほうがうまいということにもなりかねませんけどね。だって、患者数はそんなに集まらなければ…腕が維持できるのは一部の医者のみかもしれませんし、そうなると医療レベルを維持するのは大変かも。よほど海外から人が来ない限りはw

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ブレーンの重要性:真逆の意見を取り入れてより良いものにする

2011-11-14 19:55:18 | 複合記事

こんばんは

 

3日間ほど仕事で自宅に帰れませんでしたw さすがに疲れましたが、記事の更新はとりあえずします。

さきほど「真の独立ってなんだろう?:教育の重要性は?」という記事のコメントに、TPPの参加に対して反対の方も賛成の方もいると思うのですが、各々の意見をしっかり聞いて判断するほうが良いと書きました。

判断するというよりは「TPP賛成派」「TPP反対派」の意見を取り入れて新しい方針(多分、参加しながらも反対派の意見を取り入れるような)を組み立て、新しいより良い考えを考えだすべき・・・と思います。

先日も「TPP参加に関して思うこと」で書きましたが、TPP反対派は多分「中野准教授」が急先鋒賛成派の中で気になる人と言えば「日本中枢の崩壊」を書いている古賀茂明氏ですね。各々の意見はよくわかりますし、僕は農業云々ははっきり言えば「差別化」して切り抜けたら・・・? と、思っている人です。

 

しかし、制度が狂うかもしれない。内政干渉の可能性を考えるとTPPに全面的に賛成とは言えない。(日本の外交って弱そうですからね)

 

この2人がどっかの料亭(w)でTPPに関して「酒」を飲みかわしながら、相手の話を理解するまで話し合う。そんなことが起きたら、僕はその場の代金を全額払ってでも、そこで勉強させてもらいたいような気がします。

 

全く意見の異なる人がお互いを理解しあうまで話し合う。その場にいられるのであれば(可能なら、両方に質問する権利をもらえるとうれしい)、非常に勉強になると思いますし、なによりもTPPに関してより良い意見がまとまりそうではないですか。

 

僕は先日、職場の学校で「リーダーシップ」をとる場面をいただきました。僕はリーダーシップをとる上で人材(自前のスタッフ、ブレーン、幕僚)の重要性を確認したかったことが、その役をやりたかった一つの理由です。もう一つはブレーン・幕僚として働くのであればどういう風にするのが最も良いかを逆の立場から確認するためにも、その立場を経験したかったのです。

 

よくわかったのは「リーダーだけでは何もできないが、やはりリーダーは方向性を決める(決心)必要がある」という当たり前のこと。

 

 

その当たり前のことを決めるためにはブレーンたちがどれだけ情報を集めて見積もりを立てるか…ですが、それが偏っていては何にもならない。むしろ、真逆の意見が出るくらいのほうが視野が広がってよいと思います。まぁ、全員の意見が一致するような問題ならいいのですけど。

ただ、そのような状況であれば、彼らの意見を理解することから始まり、最終的にそれを統合して決断しなくてはならない

 

どれだけブレーンがいるか・・・。先日「現場からの医療改革推進協議会に参加」という記事で書きましたが、鈴木寛さんがいろいろ話されていました。そこで話されていたのですが自前のブレーンが「いる」か「いない」かはやはり大きいと思います。アメリカのような「自前のブレーン」は日本の政治家にも必要なんでしょうね。

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なかのひと 

政治においてリーダーとマネージャーは違うと思いますが、リーダーは本来政治家であり、方向性を決める人マネージャーは官僚であり、物事をうまく進める人。役割が違うことを再認識すると…リーダーとマネージャーがごちゃごちゃになっているのはよくないと思いませんか。

 

マネージャーは「うまく物事を行う人」です。官僚(マネージャー)が

それに関しては物事をうまく行えないから、それはやってはいけない

では、本末転倒です。まぁ、利権の問題とかがあるのだと思いますが…(それなら公務員を辞めてしまえ…と思いますw)

 

リーダーが本来は「~~を行う」と決めて、それをうまく行うのがマネージメントだと思います。

 

まぁ、僕なんかが書かなくてもだれかが書いていることだとは思いますがw

 

あぁ、疲れたw

先程、3食ぶりに食事をしましたw

 

では、また。

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