こんばんは
今日も現場からの医療改革推進協議会に参加してきました。
今日のお題は「地域医療」+「東日本大震災+原発事故対応」でした。
今日の報告をいたしますが、地域医療に関しては5名の方のお話を伺いました。
まず最初に黒岩神奈川県知事。神奈川県のポリオ不活化ワクチン導入の話です。
演者の皆様がポリオワクチンの話なので、その前に僕なりに簡単な説明を・・・。
(ポリオの会のホームページ:http://www5b.biglobe.ne.jp/polio/)
演者の一人である真々田さんの本(誰が日本を守るのか)にも書かれているのですが、1961年(でしたっけ?)にポリオの生ワクチンが導入され、ポリオという「小児麻痺」を起こすウイルスの感染が激減しました。
ポリオというのはポリオウイルスというウイルスが引き起こす疾患で、平たく言えば経口感染した後に一部の患者が神経に侵入されて麻痺を生じる。状況によっては横隔神経麻痺・・・息できなくなって死んでしまう怖い病気です。昔は数千人/年発症していたものがワクチン導入と同時に患者数 1960年:6500人→1963年:100人以下に激減しました。
そういう怖い疾患が予防接種によって予防されています。
ちなみに効果は1回の摂取では何のワクチンでもそうですけど「生ワクチン(生きている弱毒ウイルス)」のほうが「不活化ワクチン(死んでいるウイルス)」よりも高いです。
生ワクチン発症が多かった当時は非常によかったのです。なぜってウイルスが多いですからね。
いってしまえば生ワクチンは「高い防御力を持っているけど、生きているからそれによって感染してしまう可能性がある諸刃の剣」で不活化ワクチンは「防御力は弱いけど、何回か上塗りしていくうちに強固になる」もの。
敵がいっぱいいた1960年代は生ワクチンはとても高い効果を誇りました。僕はぶっちゃけ最初から不活化ワクチンでは患者数 1960年:6500人→1963年:100人以下という高い効果は出なかったと思います。守りきれずに数百人のポリオ患者を出していたでしょう。
しかし、現在ポリオ患者はほとんどいません。出てきているのはポリオワクチンの弱毒ウイルスによって発生している患者です。現在、生ワクチンを使用することで
1、ワクチンによるポリオ患者発生の可能性
2、ポリオウイルス(弱毒)がワクチン接種のたびに(糞便中に排泄されるので)発生する
ということがおきています。今はポリオ自体が少なくなっているので、ゆっくり確実に防御力を高めていけばウイルスに進入される可能性が下がっているわけです。
今と昔とでは状況が違うけど、それでもなお生ワクチンを使用するのか?
ということだと思います。
某サイト(https://sites.google.com/site/ipv4japanesechildren/)からの引用では
- 経口生ポリオワクチン接種後の麻痺がある(Vaccine-Associated Paraliytic Plio:VAPPと略)
- VAPPの患者から同定されたポリオウィルスはすべてワクチン由来である
- VAPPを起こさないIPV(不活化ポリオワクチン)を導入してる国がある
- 日本ではまだ生ポリオワクチン(OPV)でVAPPが起きるのは重大な問題である
- 日本小児科学会は解決に向けて最大限の努力をしている
- 既にIPVを導入済の国があることは承知している
- いま国産のIPV(不活化ポリオワクチン)を作っているが、承認までは時間が必要
- ポリオワクチン接種で抗体維持を図る必要がある
- ごくまれなVAPPがあるとしても、OPV(生ポリオワクチン)を勧める必要がある
- 以上のことを日本小児科学会員諸氏にはご理解頂きOPV(生ポリオワクチン)を勧めて欲しい
という小児科学会の発言だったらしいが、確率論的(100万人に1.4人)には日本で1人くらいは年間に発症する可能性があり、その患者と親は一生涯後遺症などに苦しむ可能性がある。
黒岩神奈川県知事はそれを考えて・・仮に2年であっても遅らせることにメリットはないからということだと思うし、緊急輸入は可能だろう(昔の6500人発症していたときと1人では違うといってもよいのですが、命は思いという考えですね)という話です。テレビ局が来ていたのできっと放送されるのだと思います。
内田先生は・・・一言で言ったら黒岩知事のブレインですね。神奈川県参与ということですが、バックアップされていると同時にご自身のクリニックで不活化ワクチンをうっている。
しかし、先ほども申しましたが不活化ワクチンは時間をかけて完成させていく「安全だけど時間のかかる盾」です。生ワクチンで排泄されるウイルスに負ける可能性がある。だからいっせいにやるほうが望ましい・・・そういう話だと思います。
つづいて細田さんというハーバード大学公衆衛生の研究員の方がポリオワクチンに関するアンケートを発表されていました。数が少なかった(11月3日に集まって集計中で、まだ50名強しか集計していないとのこと)ことと、それに伴って解析が不十分であるところはあったのですが・・・・一番重要なことは「国民が不活化ワクチンと生ワクチンの違いをわかっておらず、選択する知識を与えられていない」ということだと思います。
その後のフロアーの発言で
「ポリオは一生後遺症を引き、言ってしまうと被曝のようなものである。小宮山厚生労働相は子供をに目を向けなければだめである」
という、不活化ワクチンを摂取されている母親の発言と
「一人目の子供が生ワクチン摂取後に麻痺が出たが、最初は何が起きたかわからなかった。改善したが一生のこるものかもしれなかったと聞き怖かった」
という別の母親の発言があり、国民に対する啓蒙活動が重要であることがはっきりしたと思う
http://blog.with2.net/link.php?602868
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最後に真々田さんが「昔は国民が医療を作っていたが、今は受給者でしかない」という話しをされた。
すなわち、ポリオワクチンは本を読む(読んでみてくださいw)とわかるのだが、ワクチン導入に渋る国に対し、当初は母親と医師が協力して自治体→国と追い込んでいきました。そして緊急ワクチン輸入となったが、今は医療を需給すると言うスタンスになっていて、国民の側で必要な医療を作ろうという医師にかけるということなのだと思う。
医療は現在複雑化しており、国民がすべて理解するのは難しいかもしれない。しかし、医師がうまく介入することでそれも可能だと考える。
細かく書くとほかにもいろいろあるのですが、いったんここで終了します
それでは、また。
P.S ちょっとお酒が入った状態で、渋谷のネットカフェで書いています