新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

介護は高齢者の負担増:まず無駄を省くのではなかったのか?

2011-11-23 08:47:17 | 医療

もう一つだけ書きます

 政府の行政刷新会議は22日、重要政策をめぐる「提言型政策仕分け」の3日目の作業を行った。医療分野では、来年度の診療報酬改定で手術料など本体部分について仕分け人9人のうち6人が「据え置き」を求め、3人が「引き下げ」を主張。厚生労働省に対し「重く受け止めて対応を」と求めた。

 診療報酬は本体と薬価からなる。前回10年度改定では本体1.55%増に対して薬価は1.36%減で全体は0.19%増だった。薬価の市場価格は下がっており、今回も前回と同程度のマイナス幅が見込まれる。「本体据え置き」は事実上、マイナス改定となり、プラス改定を目指す小宮山洋子厚労相の主張と対立する内容となった

 一方、医師不足の改善のため、労働条件の厳しい病院の勤務医と開業医のバランスを考えた報酬改定も要求。厚労省は前回改定から勤務医に厚く配分する方針を明確にしている。ただ、提言は中長期的課題として「勤務医と開業医の収入のバランスを目指しつつ平準化を進める」とも求めたが、開業医の多い日本医師会の強い抵抗が予想される。

 介護分野では、現役並み所得の高齢者の負担増を求めたほか、軽度者の在宅生活を支える生活支援の見直し、40~64歳の保険料の負担割合を所得に応じて決める「総報酬割」の導入といった負担増も提言。これらは昨年の介護保険改革の議論で民主党の強い反発で導入を断念した経緯がある。

 介護職員の待遇改善では「介護報酬で対応すべきだ」として、現在の交付金方式の廃止を求めた。交付金を継続するには年間1900億円がかかる。介護報酬で対応すると国費は500億円で済むが、利用者の負担増につながるため、民主党内には反対意見が根強い

 公共事業分野では「中長期的な公共事業のあり方」を議論。国の財政事情が厳しい中、老朽化した道路や橋などの社会資本の維持管理・更新費用が今後、急増する見通しであるため、評価者全員が現在の公共事業は「持続可能性がない」と判定。「新規投資は厳しく抑制し、『選択と集中』の考え方をより厳格に進める」ことを要請した。

 また、これまでの公共事業における防災の取り組みについては評価者全員が「不十分だった」との認識で一致。堤防などのハード整備だけでなく避難計画などソフト施策を拡充するため「国は(計画を立案する)自治体への技術的な支援を一層強化する」ことを求めた。【三島健二、中島和哉、光田宗義】

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・・・・・・・・・

事業仕分けというのは…無駄をまずなくすところからスタートするのかと思っていたのですけどね・・・?

 

あと、この事業仕分けに参加した人たちは「医療系のブレーン」は持っていたのかしら。複数のブレーンに支えられていないと、色眼鏡で終わりそうな気がする。

国の無駄遣いを抑えてから増税というのが必要であり、無駄の補填のための増税では意味がない

 

そう国民が思っていたはずなんですけど、必要なものを削ってしまうのはどうだろうか。特に介護に関しては今後必要になってくる分野であり、国の必要経費が下がるから…という理由で対応するのはおかしいのではないだろうか?

現在、政治家と支援企業の癒着や官制談合、天下り、ばらまき行政などなど・・・無駄が多かったり、「一部の官僚」の既得権益を守るためや次回の団体票確保のために支援団体への便宜ををはかる政治家が多数いるのだと思うが(だって、民主党も自民党も支持団体のことを気にして、やろうと思ったことはできていないでしょうw)、そういったものを改善し「新しいシステム」を作らなくてはならない

http://blog.with2.net/link.php?602868

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そう心から思います。

では、また。

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医師数は偏っている:ILOの労働基準に合わせられるような環境にしてから言ってほしい

2011-11-23 07:45:47 | 医療

おはようございます

 

さすがに9時間も寝たせいで、頭がすっきりしてきました。今日はジョギング+筋トレの後、新宿にでも行こうかなと思っています。

 

その前に一つ記事を書きます。

昨日から書いておりますが、事業仕分け。無駄を省いて必要なものは増やすという形にならないものか…とは思います。

 

「提言型政策仕分け」3日目 災害に強い国土づくりを議論 国と自治体の連携強化を提言

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20111122-00000100-fnn-pol

フジテレビ系(FNN) 11月23日(水)0時12分配信

政府の行政刷新会議による「提言型政策仕分け」の3日目の議論が行われ、医師不足の改善策として、「開業医と勤務医の収入を平準化すべき」との提言がまとめられた。
野田首相は「方向性は、政府がしっかり受け止めて、特に予算編成にしっかりと反映していく」と述べた。
野田首相も会場に視察に訪れた22日の議論では、救急外来や産婦人科などの勤務医が、負担の割に開業医に比べて給与が低く離職率が高いため、医師不足につながっている問題が取り上げられた。
また、診療科目ごとの収入格差や、医師の数が偏っている実態も指摘され、「勤務医と開業医、診療科目間での報酬配分を大胆に見直す」との提言がまとめられた。
また、22日は「災害に強い国土づくり」についての議論も行われ、堤防などハード面に加えて、避難訓練やハザードマップ作成など、ソフト面での国と自治体の連携強化が提言に盛り込まれた。

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今、医師数が足りている診療科があるかはわかりませんが…仮にいくつかあったとして偏りをなくすと…すべての診療科が足りなくなって終わりのような気がします…(黄色線が必要医師数だとして)

足りない医師数を補うように必死に働いているのが現状だと思うのですが・・・・。

 

日本という国が労働時間をおおむね世界の標準から全職種の人が超越して働いているのは事実だと思います。

国際労働機関(ILO)の憲章には以下のように書かれています。

 「いずれかの国が人道的な労働条件を採用しないことは、自国における労働条件の改善を希望する他の国の障害となる」(ILO憲章)

http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/about/ilo.htm#ils
 国際労働機関(ILO)は、「世界の永続する平和は、社会正義を基礎としてのみ確立することができる」という憲章原則の上に打ち建てられています。
 ILOは、1日8時間労働、母性保護、児童労働に関する法律、さらに職場の安全や平和な労使関係を推進する一連の政策といった産業社会の画期的な成果を生み出してきました。
 ILOはこのような問題への取り組み、そして労働条件の世界的な向上をもたらす解決策の発見を可能にする国際的な制度的枠組みです。どのような国であろうと、産業であろうと、競争相手が同時に同じような行動を取らないかぎり、以上のような方策を導入する余裕はなかったでしょう。

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よく一日8時間労働、週48時間労働って言いますけど、ILOの基準だよな・・・と調べてみると未批准なんですね。

1919年の労働時間(工業)条約(第1号)

http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/standards/st_c001.htm

ウィキペディアでも

国際労働機関

日本の主な未批准条約 [編集]

ILOが採択した184条約(失効5条約を除く)のうち、日本が批准しているのは48条約で、わずか四分の一に過ぎない。以下は日本の主な未批准条約;

1号条約(一日8時間・週48時間制)、47号(週40時間制)、132号(年次有給休暇)、140号(有給教育休暇)などの労働時間・休暇関係の条約

1998年のILO新宣言(「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」)で「最優先条約」とされた8条約のうち、105号(強制労働の廃止)111号(雇用及び職業における差別待遇禁止)の二条約。

その他、94号(公契約における労働条項)、148号(作業環境)、151号(公務労働者)、 155号(労働安全衛生)、158号(使用者の発意による雇用の終了)、171号(夜業)、173号(労働者債権の保護)、175号(パートタイム労働)、177号(在宅形態の労働)、183号(母性保護)など。

日本では特に、労働時間関連[5]、雇用形態についての条約批准に消極的である傾向がうかがえる。連合全労連など、日本の労働団体はこれら未批准の条約の早期批准を求めている[6][7]。また、国際労働機関からも問題視されている。

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医師だけではない。みんな超過勤務をしている…といわれるとそれまでですが、命を扱っている医療従事者のストレスは大変なものです。

 

いろいろなところで「危険な」ことをしている職業の方に話を聞いたときに

私たちは確かにストレスのかかる仕事をしていますが、多くの人の命を預かっている医師のストレスとは比べ物になりません。実際に人が生きる、死ぬという話を聞くと…私はそのようなストレスは耐えられないと思います

と言われました。すごく理解されたようでうれしかったです。

 

もちろん、医師は人ですから完全ではありえません。医療従事者全体がそうです。

命を預かっているため、いろいろな要求を受けたりしますが・・・・・

 

安全神話のあった「原子力発電所(泊原発では0.01%以下の故障する確率のものが10個連携して、ミスがないか確認しているといっていました)」でも、今回の震災で事故につながりました。どんなものでも完全などというものはないです。

 

人はミスをするものです。万全の体調でもミスをするものです。

確かに能力の高い、そして労働意欲の高い医師ならミスをする確率は低いのではないか・・・といわれるかもしれませんが、ミスは低くなっても0にはなりません。本来は複数の目でミスがないかチェックするものです。

人手不足で各々の業務をやるのが精いっぱい。チェックする余裕がない・・・そもそも自分の仕事をやるために24時間のうちの16時間を使用していたらほかの仕事まで手は回りませんw

研修医の時は6時に病棟に来て2~3時に帰っていたから20時間くらい働いていますよw

研修医が周りのチェックをすることはないかもしれませんが(同僚の研修医のチェックはしていたな・・・汗)・・・・

 

だからチェック機構も含めて、十分なマンパワーを用意する必要がある。時間的にも十分な余裕があるようにしなくてはいけない

先日の記事にも書きましたが、いきなり労働協定を結ぶことは事実上不可能だと思っています。それを行えば医療従事者はともかく、患者さんの不利益が多すぎます。だからと言ってそれを求めないでよいという理由にはなりません。それを行えるようにしていかなくてはならない。少しずつ体制を整えていかなくてはならない。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

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医師の偏在と書かれると、「他人の命に係わる職業」でもあるため・・・諸外国の医師と同様の労働基準で対応可能な医師数にしてから話をしてもらいたいものだと思う。

 

それでは、また。

コメント (2)
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