夕暮れのフクロウ

―――すべての理論は灰色で、生命は緑なす樹。ヘーゲル概念論の研究のために―――(赤尾秀一の研究ブログ)

退位か、ご譲位か

2017年12月08日 | 歴史


先日、現在の内閣総理大臣である安倍晋三氏のFacebookをたまたま見ていた時に、皇室典範特例法の施行日が、平成31年4月30日とすべき旨の皇室会議の意見が決定されたことを、安倍晋三氏が皇室会議の議長として報告されている記事を読みました。その時に、この記事に何となく違和感を感じたので、以下の記事をコメントとして投稿したものです。

安倍 晋三
12月1日 13:41 ·
FaceBook

https://www.facebook.com/abeshinzo

本日、皇室会議が開催され、皇室典範特例法の施行日について、平成31年4月30日とすべき旨の皇室会議の意見が決定されました。

天皇陛下の御退位は、約200年ぶりのことであり、憲政史上、初めての事柄であります。本日、滞りなく皇室会議の意見が決定され、皇位の継承に向けて大きく前進したことに、深い感慨を覚えております。

政府といたしましても、この皇室会議の意見を踏まえ、速やかに施行日を定める政令を制定するとともに、天皇陛下の御退位と皇太子殿下の御即位が、国民の皆様の祝福の中でつつがなく行われるよう、全力を尽くしてまいります。

 

退位か、ご譲位か

総理である安倍晋三氏や新聞、テレビなどのマスコミは、意図的にか無自覚にか、このたびの天皇陛下の「ご譲位」について「退位」としか表現していません。

しかし、 皇室典範、第一章 第一條  の「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」との規定からすれば、この度の天皇陛下の「ご譲位」をもって「退位」と表現し、説明するのは、明らかにこの皇室典範、第一條に違反しています。少なくとも、この皇室典範の規定に即した正しい用語ではないことは明らかです。

安倍晋三内閣総理大臣はじめ政府関係者にはこの点についての明確な判断と自覚がありません。また、新聞やテレビなどのマスコミ関係者や大学教授などの学識経験者は意図的か無自覚かは問わず、ご「譲位」という用語が正しいにも関わらず、「退位」という誤った表現を多用しています。

· 返信 · 12月2日 19:28


皇室典範、第一章 第一條  の「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」との規定からすれば、「退位」という用語は、誤りではないけれども正確ではないということになると思います。数学的に表現すれば、必要条件は満たしているけれも、十分条件は満たしてはいません。皇室典範、第一條の規定を説明する際に、「退位」という概念は、たしかに退位という一面は満たしていますが、皇位の継承の意義を含んでいない点で不正確、不十分で、この点において誤っています。この第一條の規定の意義を必要十分に説明する概念をもつ用語は「譲位」しかないと思います。
裁判官、弁護士などの法曹家、政治家、新聞記者や大学教授などの、いわば「言葉のプロ」である人たちが、こうしたことを知らないはずがないと思います。

 

 

 


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