夕暮れのフクロウ

―――すべての理論は灰色で、生命は緑なす樹。ヘーゲル概念論の研究のために―――(赤尾秀一の研究ブログ)

§286c 〔封建的君主制、専制政治の荒廃と破壊の歴史〕

2018年10月25日 | 法の哲学

 

§286c〔封建的君主制、専制政治の荒廃と破壊の歴史〕

Die ehemaligen bloßen Feudalmonarchien sowie die Despotien zeigen in der Geschichte darum diese Abwechslung von Empörungen, Gewalttaten der Fürsten, innerlichen Kriegen, Untergang fürstlicher Individuen und Dynastien und die daraus hervorgehende innere und äußere allgemeine Verwüstung und Zerstörung,

かっての単なる封建的君主制は、専制政治とおなじように、叛乱や支配者の暴虐、内乱、支配者個人や王朝の没落によってもたらされるこれら支配者の交替と、そして、そこから生じた国内外の一般的な荒廃と破壊を、その歴史の中で示している。


weil in solchem Zustand die Teilung des Staatsgeschäfts, indem seine Teile Vasallen, Paschas usf. übertragen sind, nur mechanisch, nicht ein Unterschied der Bestimmung und Form, sondern nur ein Unterschied größerer oder geringerer Gewalt ist. So erhält und bringt jeder Teil, indem er sich erhält, nur sich und darin nicht zugleich die anderen hervor und hat zur unabhängigen Selbständigkeit alle Momente vollständig an ihm selbst.

その理由は、国家事業を分割するこのような状態においては、国家事業の分担が家臣や高官などに任せられるために、ただ機械的になり、使命や形式の違いによってではなく、そうではなくその違いは単に権力が大きいかあるいは小さいかだけである。そうして、それぞれの部門は、自己を保持しながら、ただ自己のみを、そして、そこでは同時に他者を生み出すということはなく、それぞれの部門は、他と関わりを持たない独立したものとなって、すべての要素を完全に自己自身のもとに持つことになる。


封建的君主制や専制政治が荒廃と破壊の歴史をたどるのは、その体制の国家事業の分担が有機的な関係を失い、ただ権力の大小によって区別されるのみで、それぞれの部門が他者とは無関係な完全に自立した存在と化すためである。それぞれが独立してその生存をめぐって排他的に競合しあうことになるためである。フランス革命の末期にも権力は分裂して恐怖政治を招いて破滅することになる。認識論においては、悟性は分断(判断)をもたらし、理性は統一(宥和)をもたらす。



 

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