連夜、TVでフィギィアスケートを楽しんだ。ハラハラ、ドキドキしつつ酔いしれたと言った方が適切だろうか。20才に届くか届かぬ年端の乙女、青年達がかくも大勢の聴衆の前で、日頃の練習の成果を一発勝負で披露する。氷上で難度の高い技をこなし優雅に滑りながら舞う。TVの前の私も聴衆同様にたじろぎもせず見詰めた。栄冠に輝く彼らの顔は輝かしい。
「かって」の私達はお稽古どころではなかった。お手伝いが主で長じて自己学習による勉学、親の懐具合、もしくは奨学金をアテにした進学が関の山だった。同時代に育った仲間も似たり寄ったり。それゆえに、時代を同じくした仲間とのお付き合いは、お互いの「かって」が知れていて懐かしく響き合え、お互いを慈しみあえる。
「今」一方では、紛れもなく20年後はこの年齢になっているであろう人々とも接している。実は自分の親は身近かすぎてこうはいかずイラダツ事も多かった。第3者として接していると客観的に看れる。彼らはこれから私達が向きあわなければならない「20年後」を日々生き、多くのことを学べと言っているようだ。