「ソーメン流しにいらっしゃいませんか」とお誘いを受けた。ご招待主はマンション住まい。ベランダでとある。どんな風に流れるソーメン? 綿あめを作る機械のように、卓上で回転する器の中にソーメンを放り込みながら食べるのだろうか? だとしたらベランダではムリだし?
ベランダに見たのは本式。「青竹半割・ソーメン通過穴明け・傾斜水流式・自家製ソーメン流し台」であった。先ずはリビィングで乾杯しアレやコレやの御馳走を頂いた後、総勢がソーメン流し台前に陣取った。眺望が気に入り一発で購入を決めたマンションだけあって、眼下にこの所の雨天で増水した一級河川や、霞を帯びた山並みや街並みが臨め開放的だった。そしてイヨイヨ本番のソーメン流しが始まった。
その騒がしさったら。「穴に詰まった。詰まったら押し込め。イヤ戻した方がほぐれる。押してもダメなら引いてミナ。もっと流して。途切れんように流せ。ここは貯まりやすい。水の勢いが足らん。もっと傾斜をつけた方が良い」等々ワイワイガヤガヤ。まるで子供帰りした大人が製作者の苦労も顧みず好き勝手を言う。 ”自ら竹狩りに出かけ切り出し、エレベーターに入り切れず高層階まで担ぎ上げ作製したのだと言う。” 美味しかった。楽しかった。子供心に返してくれてありがとう。