玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*八ヶ岳南麓

2010年08月16日 | 捨て猫の独り言

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 お招きに甘えて高原の山荘に2泊した。ほぼ同年代の3組の夫婦が集まる予定であったが1組だけは男だけの参加となり総勢5人となった。結果として1台の車で移動することが可能な人数になった。山荘の持ち主は私達の到着前に東京から車で先着している。お世話になる3人はお盆の直前の時期で高速道路の混雑は明らかなので電車で出かけた。最寄りの駅は小海線(八ヶ岳高原線)の甲斐大泉駅である。

 実は14年前の夏にも私達2人はお招きいただいている。阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件のあった翌年の1996年である。私達が訪れたその直後にその山荘は売却され、きわめて近くに建っていた山荘に買い替えたと聞いていたので今度はどんな山荘なのか楽しみでもあった。変化は他にもあった。山荘は大泉村にあったが大泉村は04年に7町村が合併して今では北杜市となっている。06年には小淵沢町も北杜市に合併された。南アルプス市などのように合併による新しい市町村名には馴染めないものが多いのは困ったものだ。

 お昼前に甲斐大泉駅に到着しご夫婦のにこやかな出迎えを受ける。駅前は鄙びていて一つ先の清里駅前とは好対照である。高原のリゾート地ではこんな森陰にこんな素敵なレストランがと驚ろかされることが多い。20年も住んで知り得た選りすぐりのお蕎麦屋さんやコーヒー店などに案内してもらう。初日は一つ手前の甲斐小泉駅前にある04年開設の平山郁夫シルクロード美術館を訪ねた。絵画作品の他にシルクロードの美術品のコレクションも充実している。平山郁夫は昨年12月に亡くなっている。山荘は駅から徒歩で15分の近さだ。これなら車の運転ができなくなるような身体になっても東京から電車で通うことが可能だ。

 2日目の午前中は山道を3キロ半ほど歩いて吐竜の滝を見学する。滝のしぶきを浴びて崖に咲くツワブキの花が印象的だった。午後は柳生博・真吾親子が経営する八ヶ岳倶楽部を見学する。ここは1989年に生まれ、手入れの行き届いた雑木林は素敵だ。木工、ガラス、陶器や野草、園芸道具、鉢などの販売スタッフはなかなか商売熱心だ。山荘の北側に小海線の線路が隣接していて一階の居間の窓から20メートル先に通過する車両を一瞬だけでも見ることができるのも楽しい。山荘の近くにはカラマツ林が散在し朝もやの中の散歩はすがすがしい。おもてなしの心に深い感謝の気持ちが湧いてくるのは14年前と同じであった。(写真は吐竜の滝)

コメント (1)
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