オープンギャラリーの掲示板に鈴木さんによる速報が出た。「玉川上水・野鳥情報=ソウシチョウの群れが来ています」とあり、鳥の姿の3枚の写真と「ヒマラヤ、ビルマ、ベトナムに分布し、古くから中国や日本で飼育されて1980年ごろ、飼い鳥が野生化したと言われている。玉川上水に姿を見せたのは2004年です」という簡単な説明文が添えてある。これまで私には全く馴染みのない鳥だった。スズメほどの大きさの鳥だという。
私は立冬のミニ観察会を最初の鈴木さんの挨拶を聴いて、そのあとの散策を都合により取り止めた。この日はソウシチョウの群れ、キチジョウソウ、キヅタを目指して下流に向かって歩くという。残念な思いで皆さんを送り出した。今年は発行されていないが、昨年一年間作成され続けた節気ごとのパンフレットはかなりの力作だったと今にして思う。今でもそれを愛読している。昨年の立冬の「呼びかけの詩」には「ヤツデ、チャノキ、アオジ、シメ、ツグミ、コゲラ、ツタ」が登場していた。
今年は「キヅタ 黄緑色の花が咲いた グリーンロードを歩こうよ キチジョウソウ満開だ コゲラ マユミの実に来たね シメ ムクの実に来たよ イカルと出会ったか ツグミ もう来るね 歩こうよ ゆっくり歩こうよ」とある。鈴木さんは去年の詩をそのまま使用することはしていない。東側展示は「初冬に舞う蝶と蛾、成虫で越冬する蝶、フユシャクの不思議」でルリタテハ、アカタテハ、ヒメアカタテハ、キタテハ、キタキチョウ、ウラギンシジミ、フユシャク(蛾)の写真が3段に展示されて並ぶ。目立たない位置の右端の最下段の「シロオビフユシャクの交尾」には圧倒される。
フユシャクの雌は翅が退化して飛ぶことができない。雄に位置を知らせるための手段としてフェロモンを使うという。ソウシチョウと声に出して言えば、なにかせつなく懐かしい響きがする。調べてみると、つがいのオスとメスを分けてしまうとお互いに鳴き交わしをするため相思鳥の名がついたという。キヅタはウコギ科の蔓性の植物でブドウ科のツタとは異なり冬でも葉が枯れないため冬蔦との別名があるという。「相思鳥」「木蔦」も漢字だとすぐ覚えることができる。今週末は沖縄旅行に出かける。那覇市における二晩の食事の店は、安里にある栄町市場近くの「うりずん」と泊小学校近くの「糸ぐるま」と決めた。下見なしの机上の計画に対して現実はどう展開して、どんなことが起きるか楽しみだ。(写真は昭和記念公園にて)