過日市報をつらつら見ていたらタイムリーな講演が同日に2題出ていた。「八重の桜」と「立川断層」でいずれも申し込み不要だったので、開演に間に合うはずの時間に出かけた。駐車場は広いのだが満杯で、会場はいずれも満席。午前は立ち聞き、午後はロビーに椅子を並べて聞いたのだった。
「八重の桜」の講師は「会津古城研究会長」さんだった。大河ドラマの時代考証の任に当っているといい、大河ドラマ誕生の秘話や、「平清盛」の視聴率の悪さから脱却する為、筋書きを膨らませる工夫など裏話も含め面白く話して下さった。事前には「徳川慶喜」と決まっていたが、原子力問題で苦しんでいる福島を応援しよう変考された。女性を主人公にした方が視聴率もいいが誰に?。山川さき(捨松)も候補に上ったが、戊辰戦争時8才では幼さ過ぎると「山本八重子」に決定された。近代女性の先駆けとして艱難辛苦(命名に伺える)を経、ドラマチックな人生を送った山川の一代記も是非見たい一人である。
午後の講演は午前に倍して多かった。丁度立川断層の発掘調査が紙上に出たばかりだったせいか、市外の参加者も多かった様子。趣旨は「大震災以来国民はナーバスになっている。風評に流されて恐れる必要はない。地震のサイクルは長いし、揺れそのものは怖くない。それによって引き起こされる火事・津波・生活上の困難こそが問題なのだ。確かな情報をえて正しく恐れ、家族はどう備え・動くのか決めておく必要がある」だった。不確かな時代に、強烈な地震・津波を体験をした国民は不安の真っ只中にある。人心の揺らぎを鎮めるのは容易ではあるまい。