玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*選択の誤り

2018年07月09日 | 捨て猫の独り言

 高田馬場にある早稲田松竹は、松竹の系列封切館としてスタートしたが、1975年より旧作2本立てを中心とした名画座になり、地元の早稲田大学の学生を中心に、多くの若者に親しまれた。2002年の4月に一度休館したが、休館を知った早稲田大学の学生を中心に「早稲田松竹復活プロジェクト」が発足し活動したこともあって、同年12月から再オープンしたという。

 ふりかえると2015年に何気なく飛び込んだ早稲田松竹で初めて2本立てを観ている。同じ年に友人を誘って「愛と悲しみのボレロ」沖縄戦の「ハクソーリッジ」の2本を見てすっかりこの名画座を気に入ってしまった。7月1日に孫を連れて早稲田松竹に行くことを思いついた。ソフィア・コッポラ監督による「ビガイルド・欲望の目覚め」とアイルランド・イギリス映画「聖なる鹿殺し」の2本立てである。

 ソフィア・コッポラの父は「ゴッドファーザー」や「地獄の黙示録」などのフランシス・フォード・コッポラである。この日の最初に見ることになる「欲望の目覚め」は1864年のバージニア州。南北戦争から隔離された女子寄宿学園に暮らす美しき7人の女性たちは、森の中で負傷した北軍兵士のマクバニーを見つけ、手当てをしてかくまうことから物語は始まる。そのつぎの1本は何やら難解そうな映画である。

 映画の日ということもあって10時でも観客の数は比較的多く、3人並んで座れずに私は孫2人の前の席に座った。最初の映画が終わり、さて食料を調達に行こうと後ろを振り返ると2人の様子がおかしい。怖かったと言う。妹の方は断続的にしか映画を見ることができなかったようだ。そして、つぎの映画は見たくない早くここを出ようと言う。私もつぎの映画に未練があるわけでもないので同意して外へ出た。私は選択の誤りを認めざるを得なかった。

コメント
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