一度は水上バスに乗り隅田川の両岸を眺めてみたかった。水上バスの乗り場は浅草橋のたもとにある。西武新宿駅から少し歩いて大江戸線の新宿西口駅から蔵前駅まで行く。蔵前駅から雷門はきわめて近い。孫たちと「雷門」と書かれた大提灯にタッチして門をくぐり、すぐに水バス乗り場へと急いだ。
吾妻橋から勝鬨橋まで10以上の形の違う橋を通り抜け、40分ほどで浜離宮に到着する。ほとんどが外国からの観光客だが猛暑のため乗客はまばらだ。水上バスを降りて日陰を探しながら庭園を歩く。潮入の池に浮かぶ中島と小の字島は総檜造りの橋で結ばれている。前回の入園で見過ごしていたスポットだ。そんなことは孫たちは知らない。
中の御門を出ると、高速道路の高架の下に幅の狭い横断歩道がある。探しあぐねてやっと気づき、信号が変わったので慌てて孫たちを呼ぶ。一人だけ先にわたろうとしていた老人に声をかけられた。ここは信号が青でも左右確認しないと危険な場所だ。今の社会は弱者の視点に欠けている、自分は警察官を定年退職した者だと親しげに話した。
汐留シオサイトと呼ばれる再開発地域は高層ビル群がデッキ(高架歩道)で結ばれている。カレッタ汐留は飲食店、ショップ、文化施設を併設した複合商業施設だ。46、47階には展望スペースがあり、無料で地上200mの東京湾の景色が楽しめる。浜離宮を見下ろして、あそこを歩いたとふりかえる。このシャトルエレベータが人気で、3回も往復した。ランチは地下2階の鹿児島料理「いちにいさん」がオススメだ。