2学期が始まって以来、3人が出かけた後私達夫婦には東京と変わらぬ2人だけの日常が戻った。夜明け、日没は東京都より丁度1時間くらい遅い。8時には職場に向かう娘は起き抜けにシャワーを浴び飲物片手に出かける。夏ならプールで一泳ぎが入る。中学生の2人も前後して起き出し、それぞれ自分のランチを作り、シリアルかフルーツ等食してスクールバスで一緒に登校する。一昨年までは訪米中の私がランチを用意していた。ランチを残して帰宅すると私は悩んだ。「せめてランチ位作ってやれば?」という私に「自分で作ったほうが残さなくていいの」と娘は事も無げにいう。成程、双方ともそのほうが良いし教育的かもしれないと思う。成長するにつれ学業面では大変な事も多々あるようだが、生活面では楽になったようだ。
学校は自転車なら10分もかからない距離だが先ず,近隣でも自転姿は見かけない。スクールバスは彼女らの住まうタウンハウスから15~6人、同じタウンで同業者が建てた個別住宅から粗同数の通学生と、更に近隣の住まいからの生徒を乗せ約60数名が中学校へ向かう。料金は無料で学校には20台余のスクールバスが常駐している。勿論家族が送迎している生徒もいる。運転手は時間で雇われていると思える主婦のようだ。朝夕各一便づつで、走ってバスに向かってくれば待つがそうでなければ置いてゆかれるらしい。職場に向かっている娘は、その為に近隣の専業主婦に頼んでおかざるを得ない。生徒らの服装やカバン等様々で楽器やランチボックス、水などかなりの重量で、私も詰め込んだカバンを背負ってみたらひっくり返りそうになった。10キロ余はあろうか?前傾姿勢とらないとバランスがとれない。走るなどとても出来そうもない。
4時半頃にはスクールバスで帰宅しているから、部活というのはない?。楽器は学校でほぼ毎日1時間やる。お稽古事や学校でやる運動以外は、下校後夫々の家で何らかの手段で送迎しなければならない。運動も楽器もやらせたい娘と孫娘らは、母親が帰宅するまでに宿題(結構量)を終わらせ、曜日を順繰りでほぼ連日楽器かサッカー練習に通っている。そして週末には対外試合で、その都度変わる会場まで各自の親が送迎するのだという。私達が帰日する頃サッカーが再開されるという事で、その繁忙を極める生活を見せられないと娘は嘆く。日本から週一回程度はSkypeしているのだが、移動中である事が多いのも頷ける。学校区も良く成績も悪くないと自慢気味に話す娘は、一人で頑張っている所を余程父親に見せたいらしい。私は娘が話す英語は幾らか解るが、全く解らない夫は、娘が英語で生活できてるだけで充分と思っている様だ。日米事情を比較すると、日本の教師はあまりにも多くの雑用を背負わされていると思う。