「週刊金曜日」の定期購読者になって4年目を迎える。一冊66ページの雑誌の裏表紙には必ず購読申込用紙が刷り込まれている。経営は決して楽ではない。このご時世に貴重な存在だから、存続して欲しいと願う。ある読者は「広く読まれて欲しいという気持ちから電車の網棚に置いてくる」という。
発行は年間48冊になるが、ざっと目を通して部屋の片隅に積み上げている。これまで目を通すことのなかった連載記事があった。連載は30回予定されていて、その29回目にして初めて読んだ。たちまち興味が湧いて初回に遡って読むことにした。ゴミに出さなくてよかった。昨年の2月28日号が連載の初回だった。その記事は「鈴木邦男ハンセイの記」という。鈴木邦男とはいかなる人物か。
1943年生まれ、早稲田大学に入学し、生長の家(創立者・谷口雅春)道場に入る。1969年右翼学生団体「全国学協」の初代委員長に就任するも、わずか一カ月で退任させられる。三島事件に出会い勉強会「一水会」を立ち上げる。32歳で竹中労と出会い左翼陣営との交流も広がる。現在77歳で独身。最近の体調は万全ではない。
影響をうけた人物11人をあげ、一人ひとりについて思いを書いた「反逆の作法」が2014年に出版された。キリスト、(大場英雄)、(山河惣治)、山口二矢、(大森知義)、森田必勝、竹中労、〈谷口雅春〉、高橋和巳、北一輝、ドストエフスキーだ。また昨年は「彼女たちの好きな鈴木邦男」が出版された。その内容は、望月衣塑子、溝口紀子、雨宮処凛などとの対談、中村真夕、香山リカなどからの手紙、邦男ガールズ3人の匿名座談会だ。キャッチコピーに「愛される右翼・鈴木邦男の魅力を女性目線から解読」とある。