玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*ヤマザクラ

2021年03月18日 | 捨て猫の独り言

 五年ぐらい前に、薬用植物園でキンモクセイの苗木を150円で手に入れた。高さ40㎝ぐらいの細い一本の棒で、先には二つの葉がついていたと思う。ニシキギが枯れて、その空いた場所に植えた。それが今や90㎝までに育ち、いくつか枝を張り葉を繁らせている。自分の背丈ほどに育つまでの年数は予測もつかない。

 

 いつの頃か玉川上水沿いにあるヤマザクラに番号プレートがつけられた。旧小川水衛所の左岸の1番に始まり、下流に向かい境橋の552番で折り返して右岸を今度は上流に向かいスタート地点に戻り1112番で終わる。ところで1965年以降、小平監視所から下流の通水が停止される。しばらく玉川上水は荒廃し、雑木林化や並行して走る五日市街道の交通量の増加などで樹勢が衰え、いくつかのヤマザクラは姿を消した。

 1986年に約30年ぶりに玉川上水に処理水が流される。私が小平市に引っ越して10年後だった。当時の清流復活運動の地域の熱気を今でも思い出す。江戸時代は小金井公園近くは「小金井桜」として近郊の有数の桜の名所だった。また太宰治が入水した頃の玉川上水の土手は雑木林化してなかったと聞く。

 現在、小金井公園の中には多くの種類の桜があり花見客でにぎわう。1997年には「小金井公園桜守の会」ができている。その一方で2007年に発足したのが「名勝小金井桜の会」である。この会ではケヤキなどの大木をきれいさっぱり撤去し、陽当たりのよくなった土手にヤマザクラの若木を植えて、名勝小金井桜の復活を目指している。

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