つい最近まで庭の自然の恵み「蕗の薹」を天ぷらや蕗味噌として味った。そして今はツワの若葉が茂り始めて殺風景だった庭が緑に覆われつつある。「清明」の頃には、冬を東南アジアで過ごしたツバメが数千キロを越えて日本にやって来るという。そして雁はこの頃に群れをなし北のシベリヤに帰り、また秋には日本に渡ってくるのだという。
昨年、庭の梅の幹を大胆に切り落としたせいで今年は梅の花の数が憐れなほど減った。その少なくなった梅の花も散り、近くの公園の桜並木では花吹雪が舞い始めている。庭のハナミズキと柿の木には、小さな小さな花や若葉が姿を見せ始めた。常緑樹のクロガネモチは古い葉を落としている。
甲子園の野球観戦から戻って、しばらく疲れが取れなかった。私が泊まった友人宅の近く、すなわち阪神甲子園駅の近くには二つの誇り高き店があることを知った。ドイツ菓子専門店の「カイザー」、それに無農薬胚芽米のおにぎりの店の「清左衛門」だ。清左衛門のパンフに米食の勧めがあり、朝のパンをそのうちご飯にしようと考え始めている。
私が応援した大島高校と優勝した大阪桐蔭高校はまさしく対照的なチームだ。大島は選手全員が地元出身者の離島の県立高で、桐蔭は全国から有望中学生をスカウトして育成する私立高である。近江と桐蔭の決勝戦を私はテレビ観戦する気にもなれず外出することにした。大差の決着になることは分かっていたからだ。これほど高揚感のない決勝戦になった原因について、関係者はなんらかの改善策を行うべきと考えた。