玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*白日会展(1)

2022年04月07日 | 捨て猫の独り言

 寒の戻りの小雨が降るあいにくの日曜日だった。「第98回白日会展」の招待の葉書が届いて、国立新美術館に出かけた。東京展は明日が最終日という。このあと4月に名古屋、6月に関西展がある。やはり郷土の作家の作品に注目してしまう。塩屋信敏の「桜島」ぐるり一周してこれからも描く計画かもしれず。濱ヤロスラヴァの 「光り輝くジパング」、鎌田博子の「戯ー東の国のおとぎ話」の2点もおそらく桜島だろう。「桜島」はもう1点、広島の卜部正行の作品があった(この方もよく桜島を描く)。

 彫刻で私がまず探すのは丸田多賀美と、大御所中村晋也の作品だ。ところが今回の二人はこれまでとは全く違う印象の作品だった。丸田は「かはたれどき」という「胸像」で、桜島の火山岩を彫ったと思われる。なるほど素材が暗褐色のため、近寄らないと目鼻立ちがよく見えない。「かはたれどき」=明け方で、「たそがれどき」=夕暮れという。中村はいつもの巨大なブロンズ像から一転して小ぶりの「名月をとってくれろと泣く子かな」だった。ねんねこはんてんの中の幼子が空を見上げて指さしている。

 

 絵画でやはり鹿児島の徳永敏の「パーキンソン病のスエ子」は衝撃的だった。見えるものを通して見えないものを描く「写実の王道を歩む白日会」とはこのことか?

 

コメント
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