玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*養老孟子入門①

2024年01月15日 | 捨て猫の独り言

 「もし養老先生が生涯で一冊の本を書いただけなら、どのような本になるか」という作業に取り組んでできた興味深い本が、2021年に出版(筑摩新書)されていた。著者は東大医学部解剖学教室で養老の助手として勤務した布施英利だ。

 布施は養老を「最後の解剖学者」と呼ぶ。「ここにある死体とは何か?」そして「ヒトとは何か?」ふつう自然科学ではそういうことは問わない。それは邪念だと切り捨てられてきた。最後の解剖学者とは、それまでの歴史を背負って総括し、それを別の分野にもつなげる。そのような態度を指している。

  

 つぎの7冊をとりあげて読み解いている。「形を読む(49歳)」「唯脳論(52)」「解剖学教室へようこそ(56)」「考えるヒト(59)」「バカの壁(66)」「無思想の発見(68)」「遺言(80)」布施の本から得た、私の養老ワールド探究の成果?を箇条書きしてみた。

 「脳は信号を交換する器官である」「始めは電磁波(視覚)と音波(聴覚)というおよそ無関係なものが脳内の信号系でなぜか等価交換され言語が生じる」「意識(=心)は脳の機能(はたらき)である。心臓と循環、腎臓と排泄、肺と呼吸などの関係と似たようなものだ」

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