先日 広瀬浩二郎という人をテレビで知った。13歳で失明し盲学校に入りその後京都大学に進学、現在国立民俗学博物館の准教授をしている方だ。話を聞き、いろいろ知らない世界がわかり、語られた内容も深いものだった。
見える人を健常者、見えない人を障がい者という呼び方についても広瀬さんは見える人を見常者、見えない人を触常者とよび、見えないことによって、いろいろなものを触って見えてくることの素晴らしさ、驚きを語っっておられた。
見常者はたとえ、その物をさわったとしても目で見たものを確かめているに過ぎない。
触ってみることの驚きはその感触の表現が多岐にわたり、そうした中から本当に大事なことが見えてくる。だから「さわる文化」の大切さを視覚障害の有無に関わらず知って欲しいと話されていた。
アマゾンでこの方の本を買った。
本の共著の嶺重 慎氏が 「見えない世界のリアリティ」の部分で
「大事なものは目で見えないんだよ」という「星の王子さま」の本の中でキツネが語りかける言葉は現代の宇宙観をよく言い表している。
現代天文学は宇宙を支配するものはダークマター(暗黒物質)とダークエネルギー(暗黒エネルギー)という見えない実体であり、見えているものは全体のほんの1%ということをつきとめました。
「自分はこの世界を目で見てわかった気になってはいるが、本当にわかっているのだろうか」
視覚情報は人をわかった気にさせる魔法です。とも書かれていた。
他にも視覚障害者のたどってこられた歴史なども知ることができた。
見たものより触ったものの記憶がより深く残っているように思うのは、ずーと前、動物園に子ども達を連れて行った時、たまたま子どもの象の園内散歩に出くわし、真近で小象に触ることができた。
象の背中に生えている体毛が意外にもトゲトゲとしているのに驚いた。その時の感触と感動は今も強く残っている。
象を唯、見ているだけでは知りえなかった背中の毛の感触、触ることの大切さを今思い出していた。
一度 吹田にあるという国立民俗学博物館←(インホメーション・ゾーンの世界をさわる・感じてひろがる)を訪ねてみたいと思った。