東北のことを思うとき、岩手県花巻の宮沢賢治の「雨ニモマケズ・・・」の詩が浮かんできて、何かしらもう一度しっかりとこの詩を詠んでみたくなった。
「もう一度読みたい宮沢賢治」という題の本が届いた。本の最後に書かれていた「雨ニモマケズ、風ニモマケズ、雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ・・・」を思わず声を出して読んでいた。
中に賢治の作品が沢山載っていたがその中の「グスコーブドリの伝記」という話は忘れられない作品で、30年も前 勤めていた保育園でこの「グスコーブドリの伝記」の紙芝居を何十回となく子供たちに読んで聞かせ、その度に感動したものだ。
今回 作品を読んでみたが、紙芝居にはない言葉の表現、主人公ブドリの感受性豊かな心の動きなどが表現されていてとてもよかった。
ついでだが保育園勤務時代にもうひとつ忘れられない紙芝居は「鳩のアルノー」だった。そして絵本といえば「かわいそうな象」
どれも胸をうつ作品で読むたびに涙がこぼれそうになるのを必死でこらえて読み聞かせていたのを思い出す。
今回の福島の原発に関連して新聞に「グスコーブドリの伝記」のことが取り上げられていて、今、注目を浴びているということがツイッターに出ていた。
自然現象の異常で、冷夏が続いた地域が作物やその他の被害に襲われそうになった時、火山を爆発させて空気中の温度を上げることで、皆を飢饉から救おうと考え、爆発のスイッチを押す最後の人になることを決意したブドリの物語だが、原発の作業現場で危険に身をさらしながら必死で頑張っておられる方々と重ね合わせてのことらしい。いずれも自己犠牲にたいする尊敬の想いからではないだろうか。
以前保育士のお仕事を されておられたのですね。
当時受け持った園児たちも あなたの事を時折 懐かしく思い出したりしていることでしょう。
現に 私自身がそうですから。