「写真撮ったのか」「はい撮りました」
ポピーの写真を撮るからと、車から降ろしてもらったのは数週間前のこと。
「撮りました」だけでは、やはり話にならないから、あらためて載せることにする。
こうしてみると、花の写真は後出しがよい。
先に出すのは前の年のしかないはずで論外だが、今咲いていますというのは、行って見るのにはかなわない。花はライブ。
ときには行って見てがっかりということもあるけれど。
いずれにせよ、いま咲いている花は写真を見せないほうがよい。
時季を過ぎれば、来年にのぞみができる。
赤い花の向こうには赤いもの、これも一つの手か。
よくみればただ赤く群れて咲くつまらない花にも、いくらか興が添えられる。
花壇のデザイナーが、目のくらくらするような、あまり品の良くない赤一色にしぼった意図も、汲み取ったつもりにこれでなれる。