忘れたのか、落したのか、また帽子を見つけた。
何ものかが、そこにある。
存在理由というほどのことでなくても、なぜかぐらいは、散歩のついでの頭の運動というほどのことでなくても、と「ほどのことでなくても」がいつまでも続く。
さぞ読みにくいだろう。散歩の歩き方が描写できただろうか。
散歩というものは、ただ、それほどのことである。
歩数計などわざわざぶら下げることもない。数字などどうでもよいので、歩数を数えるのは、歩数計という商品があるからに過ぎない。それほどのことなのだ。
ごちゃごちゃ言っていると、帽子のことを書き忘れてしまう。
さて、これは忘れたのか、落したのか。
どちらでもない。きっと飛ばしたのだ。