世界遺産に登録された施設に行ってみたが、富士山には外国からもぞろぞろ人が押し寄せるのに、そこには外国人来訪者の姿が見えなかったという話を聞きました。
世界遺産は、地球上の文化遺産や自然遺産を、衰亡、破壊、損傷から守り、保護する対象として登録するものですから、遺産登録の価値は、人が来る来ないには関係ありません。
むしろ、むやみやたらに行儀の悪い人たちがわいわい押し寄せないほうがよいのです。
登録の報が地域振興に貢献し、そこが観光資源になることは、事業当事者にはうれしいことです。
しかし、どこもかしこもが世界遺産の看板でがっぽり稼げると思うのは筋違いでしょう。
毎週月曜日が来るたびに、世界遺産の地が、祭のあとのようになったのでは、保護の目的とはまるっきり反対のことになってしまいます。