村上龍の芥川賞選考委員退任が報じられましたが、理由が書かれた記事は見当たりません。
このことではないという、思わせぶりな、自分がそう思いたいという書き方の記事はありますが、そんなものはニュースにはなりません。
これまでの選評の概要を集録したものがあって、そこにこんなことが書かれています。
小説は「言いたいことを言う」ための表現手段ではない。だが、伝えたいことはある。たぶん「伝えたいこと」は、作家が自覚的に物語に織り込むのではなく、読む人が発見すべきものなのかもしれない。
伝えたいことを読みとれる小説らしいものがさっぱり出てこない、選びようがなくなった、それがもうやめたの理由なのかもしれません。
たぶん聞かれたであろう理由をなぜ言わないのか、それを言っちゃあおしまいよ、だからでしょう。