「政治は、折り合いのつけ合い」と言った人がいる。
そこまで折り合えばここまでは儲かる。
そんな勘定は、必ず目先のこと、わが身のかかわりにまず限定される。
何ごとも、まず折り合いの線を見つけることに終始すれば、線でなく面で勝負と望む相手には、立てる歯を持てない。
大陸の片隅にある小国ならいざ知らず、世界の趨勢を変えてしまうような大国の大統領選挙で、投票有権者数よりも投票集計値の合計が多いという、超大ペテンが実政治の場で行われていても、折り合いが見つかればそれでよいのか。
そんな折り合いのつけ方を、民主主義政治の手本であるかのように、声を大きくして叫ぶ阿呆もいる。
折り合い政治は、折り合いの線の数だけ難儀を積み重ねていく。
まことに後世多難である。