緊急事態宣言を、ラヂオで数日前に聞いた。
これが宣言なのか、こういうことに決まったからそれを知らせるという決定報告ではないかという気がした。
緊急事態には、何よりも国民が一致団結して宣言された方針に従わなければならない。
ものごとこれからという宣言は、宣言文朗読ではなく、発令者の強い意思が汲み取れる演説でなければならない。
決定事項に半ば賛成ではない、本心は避けて通りたい、態度を明らかにすることも避けたい、そういう内心の裏側が朗読には表れる。
「いや、そんなことはない」と言われても、はじめに耳に入った感覚を打ち消すには至らない。
冷静沈着と外見の似た避賛避明、この態度が、ことに望んでの通例となっていけば、さほど遠くない未来へも良い影響は伝わらないだろう。