粋な くろべぇ みこしの ま~つに
あだなすがたの あらいがみ
しんだはずだよ おとみさん
いきていたとは おしゃかさまでも
しらぬほとけの おとみさん
ええっさえ~え げ~んや~だ~な~。
こんな唄だったような・・。
お富さんをちゃんと唄える人は 遊びにかなり年季が入っている。
記憶では お座敷小唄の定番であったと思われる。 かつては・・・。
ゴキブリのように黒光りする結いあげた髪。粋な着物姿。洗練された立ち居振る舞い。静凛とはこういうものなのかというような残り香。・・・小唄と一緒に残る 私的残像。
確か子供心にも憧れを感じたことを覚えている。
男の子は大人の女性に。
女の子は大人の男性に。
一度は憧れたことがあるだろう。
憧れの本質はその時点ではあやふやだ。 長生きしなければ分からないものでもある。
酸いも甘いも経験した後の 懐かしくも大好きだったなぁ。と思えることこそが、本当に憧れていたものだと気付くのである。
時代と共に憧れる対象も変わる。今の子供達の憧れは、私の子供時代の憧れとは違うのだろうか。
・・・・知る由もない。・・あこがれの風景。
・・・・。
あら! お富ちゃん。 お富ちゃんじゃない!?
まあ! 誰かと思ったら。 お虎ちゃん じゃない! うれしいわぁ。
やっぱり! お富ちゃんだわ! どうしましょ。 よかったわぁ。 お元気そうで。
お虎ちゃんこそ。 すっかり見違えちゃって。
私。いつのまにかお富ちゃんのこと忘れてしまっていて。 久しぶりに今思い出したの。
ありがとう! わたし 好きな人ができちゃって。 それで一緒に・・・未練なものね。
でもよかったぁ。 生きていてくれて。 こうして思い出せたんだから。
お虎ちゃんこそ。 絵を見て 虎→虎ちゃん→お虎ちゃん→お富さん。 の連想で思い出してくれたんでしょう?
ねぇ。 あんみつでも 食べていかない?
いいわねぇ。 あ。 あそこにあるわ。 ちょっと記憶に遊びましょ。
ところで 私お富ちゃんのことあんまり 知らないのよ。
いいわよ。お虎ちゃんだって ほんとは 酔っ払いのおじさんでしょ!
・・・・ありゃ。 ばれてしもた。
逢えば なつかし かたるも ゆめか
だれが きくやら せみしぐれ
かってきままに おとらさん
いきていけると おもえば ま~まよ
やって みなはれ おとらさん
え~っさえ~え こ~れか~ら~だ~
っと。
ちょいと 思い出。
はい。次ぎ行ってみよう~。
日日是好日。