べんせいしゅくしゅく。 夜川を渡る。
夜。闇にまぎれて 騎馬軍団が川中島をめざす。 轡をかまし 嘶きひとつなく。
鞭の音も 粛々と。 決戦に備え気を溜め込んだ 戦闘集団の渡河風景。
イメージできるだろうか?
朝もやが立ちこめ うっすらと空が白んで来ると はじまる壮絶な戦いの前哨。
緊迫と抑えられた静けさの相克である。
武者震い。 と 鞭声粛々 の情景。
人は一生のうちに3度は 大きな勝負に挑まざるを得ない ときがあるという。
挑むか挑まないかは 本人の選択に任されている。
鞭声粛々に 事に望めるならば 勝機は高いと言えよう。
端武者は つい勢いに頼みがちとなるものだ。
潜龍 用いるなかれ。
と言ったのは 確か 兵法の神様 孫子さん。
龍とは素晴らしい才能を持つ者のこと。
龍は龍になってこその 龍。
成熟してない龍は 龍であっても龍の力を出せない。
もぐっている龍をむやみに用いてはいけない。ということ。
用兵 転じて 自分の才覚の使い方にも同じことが言える。
成長を待たねばならない。
戦略とは どのような敵と戦おうとするのか? ということ。
戦術とは であった敵とどのように戦うのか? ということ。
戦略的にも戦術的にも 鞭声粛々と 自らの戦地に赴けるまでの 忍 も肝要であろう。
なぁ兄さん。いつまで下積み生活続くんでっしゃろ? わしら。
天・時・人 に逆らわず。 ちゅうことですからなぁ。
せやかて わしらええ歳なりますやろ。 潜りっぱなしやおまへんか?
まだまだや。そうあせりなはんな。 心配せんでも 死ぬまでは生きれる さかいに。
・・・ 死ぬまで は生きれる か 死ぬまで 這いきれる かの勝負んなりまんなぁ。
・・・ どっちにしても 昇天 することは間違いおまへん。
・・・なるほどの ことでんなぁ・・・。
思い思われ振り振られ。
その選択。鞭声粛々。
南無煩悩大菩薩。