従うは影。
いま私はこうして地球に存在しているが、自分が何であるかは分からない。
しかし、私が特別な種ではないことは確かである。
私は「もの」を表す「名詞」ではない。
私は、この世界で何かの「こと」を表す「動詞」のようだ。
この地球のある社会のある任意の活動のある小さなことではあっても。
私はある種のそのことのそれそのもののことの成り行きに関与していると思われる。
私が、特別な種でないことは確かである。
したがって、私は私だけではない。
誰でもが私だと言える。
取り違えて、私が誰でもだとも言える。
情緒関係にせよ利害関係にせよ。
今私はこれを書いているが、自分が今なんであるかは分らない。
影は従うしかない。
禿の影を映しだすその小径に。