なんともいわれぬ夢を見た。
病院の眺めのいい病室のようだ。
僕は窓辺に立って、ここから飛び降りようとしているらしい。
そこでは、たくさんの親族や知人や同僚や今までの縁者が僕を取り巻いている。
今は亡き人や子供の頃遊んだ犬もいる。
僕は、その光景をなぜか天井からの視点で見ている。
「とめてくれるな、男子の決意ここに極まれり」などという僕に、未だ見たことも無い一人の誰かがこう言い放った。
「あの、ここは一階の病室なんですけど」
・・・。
天井から外を見ればなるほどそうだった。そこにいた僕は僕ではなく天井から見た僕ではない僕は、ケラケラと笑った。
もし家族に見られていたら、なんとも奇妙な寝顔だったのかもしれない。
エイの鰓(えら)は、そこだけ見たらなにかの顔に似ている。