チャーミングなモンキーをみて、思い浮かんだ話がある。
時代は明治、東洋人に対する偏見と差別の中、一人の日本人がアメリカの地を踏んだ。
彼は横柄な青年にこう声をかけられた。
「ウィッチ ニーズ アー ユー チャイニーズ オア ジャパニーズ?」(あんたはどっちのニーズなんや チャイニーズか?それともジャパニーズか?)
その男はこう答えて去ったと言う。
「ウィッチ キー アー ユー ヤンキー モンキー オア ドンキー?」(おまえさんはどっちのキーや ヤンキーか モンキーか それともドンキーか?)
その人の名は岡倉覚三、精神の気骨と、それを裏打ちする知識と信念と、文化に根ざす聡明さとユーモアを兼ね備えていなければ、なかなかできない反応だと思う。
垣根を取り払うには、お互いをよく知ることだと身を持って実践する必要があり、パートナーになるためには必要だと思わせること、それこそが扉を開ける鍵となる。
それが、ニーズであり、キーだ。とこの話を捉えるのはうがちすぎだろうか。