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『・・・まず完全競争とは、次の条件を満たす市場(産業)のことだ。
条件1:市場に無数の小さな企業がいて、どの企業も市場価格に影響を与えられない。
条件2:その市場に他企業が新しく参入する際の障壁(コスト)がない。
条件3:企業の提供する製品・サービスが、同業他社と同質である。すなわち、差別化がされていない。
条件4:製品・サービスをつくるためのリソース(技術・人材など)が他企業にコストなく移動できる。
たとえば、ある技術が企業Aから企業Bに流出したり、人材が企業Cから企業Dに障害なく移動できる。この結果、企業は「ギリギリやっていける」以上の利益は得られなくなる。(=超過利潤がゼロ)完全競争はまったく儲からないのだ。他方で完全独占は、条件1~3の真逆である。
・・・1970~80年代にハーバード大学のデイビット・ケイブス、そして彼の薫陶を受けたマイケル・ポーターは、当時経済学で発展していた(Structure-conduct-performance)を「経営学のSCP」へ昇華させていった。
そのポイントは、完全競争・完全独占は、理論上の仮想状況にすぎない。しかし現実の産業は、すべてこの「両極」の間に存在する。
すなわちSCP理論の骨子とは「自社の競争環境がどれだけ完全競争から離れているか」を分析し、そして「自社の競争環境が完全競争から離れるように」戦略的に手を打つことである。
規模の経済による参入障壁が高ければ寡占化が進み、既存企業が超過利潤を占有できる。
他方同じ産業内にも製品特性・費用構造などで、似た企業と異なる企業があり、似た企業同士をグループと見なすと、グループとグループの間には移動障壁があり、自社のグループはその障壁が高いほど、独占に近づく。
従って自社(のグループは)は他グループと「似ていない」ほうが収益性が高まる。これはポーターの競争戦略が差別化戦略を重視するルーツの一つになっている。』-H.B.R,2014.11号より-
『・・・まず完全競争とは、次の条件を満たす市場(産業)のことだ。
条件1:市場に無数の小さな企業がいて、どの企業も市場価格に影響を与えられない。
条件2:その市場に他企業が新しく参入する際の障壁(コスト)がない。
条件3:企業の提供する製品・サービスが、同業他社と同質である。すなわち、差別化がされていない。
条件4:製品・サービスをつくるためのリソース(技術・人材など)が他企業にコストなく移動できる。
たとえば、ある技術が企業Aから企業Bに流出したり、人材が企業Cから企業Dに障害なく移動できる。この結果、企業は「ギリギリやっていける」以上の利益は得られなくなる。(=超過利潤がゼロ)完全競争はまったく儲からないのだ。他方で完全独占は、条件1~3の真逆である。
・・・1970~80年代にハーバード大学のデイビット・ケイブス、そして彼の薫陶を受けたマイケル・ポーターは、当時経済学で発展していた(Structure-conduct-performance)を「経営学のSCP」へ昇華させていった。
そのポイントは、完全競争・完全独占は、理論上の仮想状況にすぎない。しかし現実の産業は、すべてこの「両極」の間に存在する。
すなわちSCP理論の骨子とは「自社の競争環境がどれだけ完全競争から離れているか」を分析し、そして「自社の競争環境が完全競争から離れるように」戦略的に手を打つことである。
規模の経済による参入障壁が高ければ寡占化が進み、既存企業が超過利潤を占有できる。
他方同じ産業内にも製品特性・費用構造などで、似た企業と異なる企業があり、似た企業同士をグループと見なすと、グループとグループの間には移動障壁があり、自社のグループはその障壁が高いほど、独占に近づく。
従って自社(のグループは)は他グループと「似ていない」ほうが収益性が高まる。これはポーターの競争戦略が差別化戦略を重視するルーツの一つになっている。』-H.B.R,2014.11号より-