南無煩悩大菩薩

今日是好日也

人間はパズルのピースのように不定形である

2017-10-19 | 古今北東西南の切抜
(picture/source)

ASD(自閉症スペクトラム障害)、統合運動障害(神経に由来する身体疾患)、失読症、ADHD(注意欠陥・多動性障害),社会不安障害・・

このような非定型発達も、「人間のゲノムの自然で正常な変異である」とするニューロダイバーシティの発想が広まっている。

必要な配慮や支援を提供することで、ニューロダイバースな人材(非定型発達者)を取り込む動きが企業に広がりつつある。

実際、これらの特質を持つ人材は特定の能力が非常に優れており、生産性、品質、革新性の向上など、企業や組織に多種多様な恩恵を生み始めている。

テクノロジー業界では、変わり者を採用してきた歴史がある。社交を苦手とする天才肌のオタクが文化的な偶像となり、ガレージで創業した企業と並んで、業界の神話として語り継がれている。

「自閉症の世界」の著者スティーブ・シルバーマンは、シリコンバレーのような地では自閉症の割合はひときわ高いと指摘している。シルバーマンらは、テクノロジー業界の「変人」や「オタク」の多くは、診断が下されていないだけで、実際には自閉症スペクトラムに該当する可能性が高い、という仮説を立てている。

そうであるなら、ニューロダイバーシティの発想の広がりは、オタクに価値を置く文化的傾向の延長とみなせるのではないだろうか。

実際、ニューロダイバーシティの概念を大切にする人の多くは、ニューロダイバースな人材が必要とするのは、治療ではなく支援や受容だと考えている。

誰しも、ある程度は特異な能力を持っている。なぜなら人は皆生まれも育ちも違うからだ。各人の発想は、生来の「骨組み」と経験による「方向付け」によって決まる。

企業社会は、多様な個性の恩恵をほとんど活かせずにきた。従業員を取り換え可能な「人的資源の器」としてではなく、個性を持つ資産そのものとして扱うことにはおおきな意味がある。

世の革新は十中八九、異能によってもたらされるからだ。

-切抜抜粋/「Neurodiversity as a competitive advantage 」D.H.B.R 2017.11.より-
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