南無煩悩大菩薩

今日是好日也

Ancient Forces

2019-10-20 | 古今北東西南の切抜
(photo/original unknown)

「ハロウィン=万聖節」のルーツはヨーロッパの古層「ケルト文化」の民間伝統「サウィン=万霊節」にある。厳かな「供養の夜」にして、全てが生まれ変わる新年への「おおみそか」でもある。

ではなぜこの季節になのか。北ヨーロッパの冬は厳しい。10月末へ向かう頃いよいよ木枯らしが吹き家畜や作物が育たない「冬=死」の季節が始まる。来年5月の太陽の復帰まで無事に生き延びられるのか保証がない古代中世だった。

この夜、時空が反転する。日常は「生と死を隔てる壁」が大嵐と共に取り払われ「この世とあの世」「古い時間と新しい時間」がエネルギッシュに交流し交代する。

ゆえに祖先や亡くなった人々の霊が戻ってくると信じられた。人々は身も心も清め、死者を思い、供養のため「魂のケーキ」を焼いて祈った。静かで厳かな夜だった。

年に一度の特別な生と死の親交が、浄化のカタストロフィ、大変動を起こし、大晦日は明ける。民間では今も11月1日はケルト歴の「元日」。死者を忘れぬ「供養」によって、生者も恵まれ、世界が「再生する夜明け」が訪れるのである。

生きている人間だけが、地球の主人公だと思い込んでいるのは、長い歴史の中でも、現代人だけではないだろうか。

-切抜/鶴岡真弓「あすへの話題」より

SÁMI FOLK MUSIC | "Ancient Forces"


ちなみに、茶道でも11月から4月までは「炉」を使うが、5月から10月までは「風炉」に変えるという。

*炉:畳の一部を正方形に切り取って、そこに火を蓄える小さな囲炉裏を茶道では「炉」と呼ぶ。
*風炉:5月からの夏場は、風が通るように一方を開けた「風炉」を畳の上に置き、上に乗せた窯で湯を沸かす。
*風炉から炉に変えるために、普通の畳から切り込みのある畳に変え、使う炭も風炉と炉では違い、その炭を茶室に運ぶための炭斗も、柄杓や釜の蓋、茶巾の置く場所まで、「炉」と「風炉」とでは違うのだという。
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