(Quote/Cicero)
先生、礼をされてから、いつものように丁寧に黒板を拭われる。すると突然拭う事を止めて、じっとして考えていられる。
さらにご自身の指を黒板に当てて撫でられて、さて我々の方を向かれて「諸君にはわからんでしょうが、ここに小さな短いクギがささっているのです。そしてそのために、この拭いが引っかかって破れる恐れがあります。たぶんこのクギは、止めピンの首がとれて、クギだけが残ったのでしょう。誰か鉄の文鎮を持っている人はありませんか」と言われた。
するとS君が「はい持っています」と答えて取り出すのを受け取られて、すぐにコツコツとそのクギを打ち込まれた。
そして「すべて物事というものは、こうしてすぐに処置しておかないと、お互いに忘れやすいものですから」とおっしゃった。
-森信三「修身教授録」より
先生、礼をされてから、いつものように丁寧に黒板を拭われる。すると突然拭う事を止めて、じっとして考えていられる。
さらにご自身の指を黒板に当てて撫でられて、さて我々の方を向かれて「諸君にはわからんでしょうが、ここに小さな短いクギがささっているのです。そしてそのために、この拭いが引っかかって破れる恐れがあります。たぶんこのクギは、止めピンの首がとれて、クギだけが残ったのでしょう。誰か鉄の文鎮を持っている人はありませんか」と言われた。
するとS君が「はい持っています」と答えて取り出すのを受け取られて、すぐにコツコツとそのクギを打ち込まれた。
そして「すべて物事というものは、こうしてすぐに処置しておかないと、お互いに忘れやすいものですから」とおっしゃった。
-森信三「修身教授録」より