2020年7月30日午前、司朗さんは逝った。
2011年12月14日に、司朗さんが私に差し出した紙切れにはこう記されてある。
「 命終の時にのぞんで 心転動せず 心錯乱せず 心失念せず あたかも禅定に入るがごとく 」
酒の恩師であり道の導師であり、なによりも若輩に対しこれほど肝胆照らしてくれた方はおらんのであります。
その昔、ある賢人は言いました、語り得ぬことにおいて、人は寡黙になるべし、まさしくその心境です。
数えきれない想い出ありがとうございました。
「 千里鶯啼いて緑紅に映ず 水村山郭酒旗の風 南朝四百八十寺 多少の楼台 煙雨の中 」-江南の春 杜牧
「 春宵一刻値千金 花に清香有り月に陰有り 花管楼台声細細 鞦韆院落夜沈沈 」-春夜 蘇軾