(面/ひょっとこ)
昔のことだから相手も知らずに結婚することも多くこんなはずではなかったということも。しかしながらそこは風流にやり過ごす。こんなはなしがある。
その日、婚礼初見の新郎新婦、新郎は新婦が禿げ頭だということに気付いて、神の国「いせしまにいってみたれどかみはなく」
新婦もこの新郎に鼻が無いことに気付いて、花の名所の吉野山「いってみてれどはなはなく」とかえした。
ここで、そのばの仲人一句、貧とは知れど「いってみたればはなかみ(鼻紙)もなし」
ここで三人大笑いになって高砂やの夜はとどこおりなく更けたという。