(picture/source)
-‘イエスが負けた’理由-
‘ギリシャのアレクシス・チプラス首相が国民投票で圧勝した理由を説明するのは、さほど難しくない。
ギリシャ国内および欧州連合(EU)域内のチプラス氏の反対勢力が失敗したのは、些細なものから重大なものに至るまで、さまざまな判断ミスを犯したからだ。
筆者から見ると、3つのミスが目立つ。
最大の誤算は、救済案を拒否する「ノー」の投票結果はグレグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)につながると言った数人のEUの大物政治家による明らかに申し合わされた介入だった。
つまり、EU諸国はギリシャの国民投票を不正に操作することを望んでおり、それを隠そうともしなかったという印象をギリシャ国民に与えてしまった。
イエス陣営の2つ目のミスは、救済プログラムが経済的にどう機能し得るのかを説明できなかったことだ。
ギリシャの国民投票は、世界経済の仕組みについて大きく異なる見解を持つ経済学者やエコノミストをも「ノー」の見解で団結させてしまった。
なぜなら、8年間に及ぶ深刻な不況を経験した経済国が経済調整を実現するためには新たな緊縮策が必要になるということを定めた信頼の置ける経済理論は存在しないからだ。
3つ目の重大なミスは傲慢さだ。イエス陣営の支持者は、勝利は確実だと思っていた。
5年間失業していて、仕事を得る見込みもない人であれば、「稼げないおカネ」がユーロ建てであろうがドラクマ建てであろうが何の違いもないのだ。
民主主義の軽視と経済リテラシーの低さは単なる戦術的なミスではない。これら2つの「性質」は現在、欧州統合プロジェクトの残骸のうち、まだ残っている2本の思想的支柱なのである'
(切抜抜粋/Financial Times)
民主主義と資本主義についてとても参考になる事件が‘欧州統合プロジェクト’で起こっているようだ。
-‘イエスが負けた’理由-
‘ギリシャのアレクシス・チプラス首相が国民投票で圧勝した理由を説明するのは、さほど難しくない。
ギリシャ国内および欧州連合(EU)域内のチプラス氏の反対勢力が失敗したのは、些細なものから重大なものに至るまで、さまざまな判断ミスを犯したからだ。
筆者から見ると、3つのミスが目立つ。
最大の誤算は、救済案を拒否する「ノー」の投票結果はグレグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)につながると言った数人のEUの大物政治家による明らかに申し合わされた介入だった。
つまり、EU諸国はギリシャの国民投票を不正に操作することを望んでおり、それを隠そうともしなかったという印象をギリシャ国民に与えてしまった。
イエス陣営の2つ目のミスは、救済プログラムが経済的にどう機能し得るのかを説明できなかったことだ。
ギリシャの国民投票は、世界経済の仕組みについて大きく異なる見解を持つ経済学者やエコノミストをも「ノー」の見解で団結させてしまった。
なぜなら、8年間に及ぶ深刻な不況を経験した経済国が経済調整を実現するためには新たな緊縮策が必要になるということを定めた信頼の置ける経済理論は存在しないからだ。
3つ目の重大なミスは傲慢さだ。イエス陣営の支持者は、勝利は確実だと思っていた。
5年間失業していて、仕事を得る見込みもない人であれば、「稼げないおカネ」がユーロ建てであろうがドラクマ建てであろうが何の違いもないのだ。
民主主義の軽視と経済リテラシーの低さは単なる戦術的なミスではない。これら2つの「性質」は現在、欧州統合プロジェクトの残骸のうち、まだ残っている2本の思想的支柱なのである'
(切抜抜粋/Financial Times)
民主主義と資本主義についてとても参考になる事件が‘欧州統合プロジェクト’で起こっているようだ。