最近、中古車を買われた方の点検が多いですが、同じ車種なので、大体同じような状態に劣化していることが多いです。
コンディションレベルチェックパックで、点検、車体増し締め、キャブレター点検調整&同調を行います。エンジンオイル、オイルフィルター交換を行う予定でしたが、途中でギアオイル交換も追加になりました。外装を外し、点検から始めます。
エアクリーナーは純正で、ほぼ新品んでした。ダイヤフラムですが、回転は大丈夫でしたが、1番気筒が全開になりませんでした。
1番気筒ですが、スプリングの組み付け不良で引っかかっていました。スパークプラグは、NGK製JR8Cですが、4番気筒のみガソリンが濃いようです。キャブレターを点検して判明しましたが、パイロットスクリューの戻し回転数が、1番、2番、3番は2.5回転戻しでしたが、4番のみ動きが悪く、4.125回転戻しでした。機能的には、生きていましたので、全ての気筒で、規定値の2.25回転戻しにしました。
キャブレターを分解したようで、フロート室の裏蓋が左右反対で、エアベントチューブが前を向いており、更にエアクリーナーボックスの前方下にまとめられていました。一応塞がってはいないので、そのままにしましたが、分解する機会があれば元に戻した方が良いと思います。リアバンクのプラグコードは、毎回のように刺さっていません。修正しました。
Vブーストジョイントのゴムが切れていますが、現状、エアを吸いこんでいないので、今回は、そのままです。ヘッドカバーガスケットからオイルのにじみがあるので、その修理の際に、ついでに行った方が良いです。
リアバンクのプラグコード部分の腐蝕です。リザーブタンクのキャップですが、強く締めているケースがありますが、キャップ右下側にオーバーフローのパイプがあるので、キャップ部分から漏れることは無く、逆に締めすぎるとキャップが割れます。
ガソリンタンクは、酷くはないですが、下側と天井側に錆が見られます。ステムベアリングは、緩く、引っ掛かりは無かったので、規定トルクで締めました。
フロンとフォークのエア圧は、0でしたので、規定値の0.4にしました。また、インナーチューブの上端の高さが違いましたので、左右で合わせました。
シールの漏れやクリップの錆びは無さそうですが、グリスが塗ってあったので、インナーチューブに油分の輪っかが出ていました。
ブレーキホースとメーターワイヤーの取り回しがねじれており、ホースのスプリングがフェンダーに当たっていました。キャリパーは清掃した方が良いです。動きが悪いのか、効きが甘いです。
リアキャリパーはパッド押え板が逆でしたので、修正しました。クーラントは、エンジンオイル混入や漏れ等は無さそうです。
フルードは、3カ所とも交換時期不明です。クラッチ側は、エンジンの熱がかかるので、劣化が早いです。
バッテリーは、純正で新しいようで、容量は平気そうでした。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は平気そうです。
ギアオイルが漏れていました。ギアケース下側が、汚れています。エンジンオイル、オイルフィルター、ギアオイル交換中です。
漏れの原因ですが、使用されていたガスケットがアルミ製で何度か使用されたみたいで潰れた跡が付き、隙間が空いて漏れたようです。
最終チェックと試乗です。各消耗部品は、ダメになっていますが、大きな破損は無いようなので、メンテナンスすれば、ある程度戻せると思います。リアのリフレクターの後ろにバッグが付いていますが、この状態だとリフレクター無しになりますので、違反になります。このままの場合は、ナンバー下側中央に市販のリフレクターを装着してください。無事納車になりました。
2019.05.26 作業担当 ヤダ(矢田)