俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

冬鷺(2)

2024-02-01 | 俳句・冬・動物

 

 

水中を見つむる目なり冬の鷺

 

 

 

 

 

 

冬に見かける鷺のことをいう。

 

 

 

 

 

 

主に小鷺や青鷺が多い。

白鷺も青鷺も夏の季語で本来は夏に多く見られるはずであるが、近年の夏はあまりの猛暑で、鷺の姿はほとんど見られない。

おそらく、更に北の方で過ごし、秋に南下して、逆に冬の方が鷺を見かける機会が多くなっているのだろう。

暖冬の所為で、冬に日本の南方へ移る必要がなくなったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

冬鷺の本意は寒さに耐えている鷺で、寒風の吹きつける日などは寒そうにしているのが見られる。

 

 

 

 

 

 

川に冬の鷺がいた。

冬鷺は水中を見つめ、小魚を狙っている目をしていた。

 

 

 

 

 

冬鷺の翔て夕日を浴びにけり

 

 

 

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寒雀

2024-01-25 | 俳句・冬・動物

 

 

人影にすぐ飛び去りぬ寒雀

 

 

 

 

 

 

寒中の雀のことをいう。

 

 

 

 

 

 

この頃は食べ物が乏しくなるので、雀は餌を求めて人家に近づく。

 

 

 

 

 

 

寒気を防ぐため全身の羽毛を膨らませて丸くなっている雀を「ふくら雀」という。

 

 

 

 

 

 

寒雀が細い枯木の枝に止まっていた。

だが、近づこうとすると、こちらの動きに気がついたのか、すぐに飛び去ってしまった。

 

 

 

 

 

風の中歩けばふくら雀かな

 

 

 

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寒鴉

2024-01-16 | 俳句・冬・動物

 

 

寒鴉翔て塒を目指しけり

 

 

 

 

 

 

寒中の鴉のことをいう。

 

 

 

 

 

 

食べ物の乏しくなる冬場は人家に近づくので、近しい鳥である。

 

 

 

 

 

 

枯木などにじっと止まっているさまは荒涼とした景である。

 

 

 

 

 

 

寒鴉が飛んでいた。

その方角は塒を目指しているようであった。

 

 

 

 

 

鳴く声に寂しさありぬ寒鴉

 

 

 

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寒禽

2024-01-12 | 俳句・冬・動物

 

 

電線に並ぶ寒禽暮れてきぬ

 

 

 

 

 

 

山野、川、海などで厳しい冬の中を生きている鳥をいう。

 

 

 

 

 

 

冬期には木の実や昆虫類などの食料が減り、南天や青木などの実を啄む小鳥の姿をよく見かける。

 

 

 

 

 

 

冬の間だけ群れで生活する鳥も多い。

 

 

 

 

 

 

見上げると、電線に寒禽が並んで止まっていた。

辺りは次第に暮れてきていた。

 

 

 

 

 

はぐれしか寒禽一羽枝にゐて

 

 

 

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冬鷺

2023-12-17 | 俳句・冬・動物

 

 

冬鷺の翔てば思ひのほか大き

 

 

 

 

 

 

冬に見かける鷺のことをいう。

 

 

 

 

 

 

主に留鳥である小鷺や青鷺が多い。

 

 

 

 

 

 

鷺の多くは南方へ渡って越冬するが、「残り鷺」と呼ばれるものは、渡りをする鷺(中大鷺など)で怪我をするなどして日本に残っているものをいう。

 

 

 

 

 

 

川に冬鷺がいた。

それが飛び立つと意外と大きく見えた。

 

 

 

 

 

夕暮の川に影なし残り鷺

 

 

 

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