温かき缶珈琲や冬夕焼
夕焼は夏の季語であるが、冬にも見られる夕焼をいう。
冬は日没も一年で最も早く、寒くもあるので、外で夕焼を楽しむことは少ない。
冬の夕焼は西空を燃え立たせて、たちまち薄れてしまう。
散策していると空は次第に冬の夕焼となった。
自動販売機で温かい缶コーヒーを買って飲みながら、冬夕焼を眺めた。
冬茜背(せな)に家路を急ぎけり
温かき缶珈琲や冬夕焼
夕焼は夏の季語であるが、冬にも見られる夕焼をいう。
冬は日没も一年で最も早く、寒くもあるので、外で夕焼を楽しむことは少ない。
冬の夕焼は西空を燃え立たせて、たちまち薄れてしまう。
散策していると空は次第に冬の夕焼となった。
自動販売機で温かい缶コーヒーを買って飲みながら、冬夕焼を眺めた。
冬茜背(せな)に家路を急ぎけり
展望台上れば山の冬霞
関八州見晴台
霞は春の季語だが、冬に立つ霞をいう。
武甲山
風もなく暖かい日など、霞がたなびくことがある。
両神山
冬でありながら春のような穏やかな景である。
丘陵の展望台に上った。
そこからは冬霞のたなびく山々が望まれた。
浅間山
冬霞峡の地蔵に手を合はせ
寒月やSLIMは神酒(みき)の海にあり
冬の月よりも一段と冷厳な月をいう。
必ずしも寒中の月でなくとも厳寒期を想定した季語なので、晩冬とされる。
凍てつく大気の中の月を思わせる。
ただし、「寒の月」とした場合は寒中の月のことをいう。
煌々と冷たく輝く寒月が出ていた。
先日、日本の月探査機「SLIM」が神酒の海に着陸した。
神酒の海はうさぎの向かって右側の耳の平地である。
そこにSLIMがあるのだなあと思った。
天心を寒満月の渡りけり
寒夕焼コーンスープを飲みをれば
寒中の夕焼をいう。
冬の夕焼の中でも特に寒々とした感がある。
寒の夕焼は燃えるような色を見せるが、時間が短く、すぐに薄くなる。
長い時間散歩して、途中、自販機の缶のコーンスープを買ってベンチで飲んだ。
気がつくと寒夕焼となっていた。
帰り道は林の中や寒夕焼
寒雲の低きが畑を覆ひけり
寒々とした雲をいう。
冬空を一面に覆う雲、固まって凍りついたような雲など、いずれも寒々しい。
「冬雲」よりも「寒雲」という方がより一層寒さが身に沁みる。
寒雲が低く垂れこめていた。
雲は畑を覆っていた。
全天を覆ふ寒雲高架駅