林間を歩きあるきて冬日没る
冬の太陽が沈むことをいう。
寒気のなかの冬日差しは暖かくありがたいものである。
それが地平線に沈むのは寂しく、沈むと急に寒さが襲ってくる。
「冬落暉」も輝きながら沈む冬の入日をいう。
一日中林間を歩きに歩いた。
その結果、冬の入日を見ることとなった。
冬落暉明日の安寧祈りゐて
一人行く道を照らして冬日かな
寒気の中で輝く冬の太陽、またはその日差しをいう。
南に傾いた太陽は夏のような暑さはなく、暖かさを感じる。
公園で遊ぶ子供たちや日向ぼっこの老人などにも、冬の日はあまねく及ぶ。
「冬日影」はその日差しのことをいう。
一人で歩いていた。
その道を冬日はずっと照らしていた。
夕兆す川面眩しや冬日影
温かき缶珈琲や冬夕焼
夕焼は夏の季語であるが、冬にも見られる夕焼をいう。
冬は日没も一年で最も早く、寒くもあるので、外で夕焼を楽しむことは少ない。
冬の夕焼は西空を燃え立たせて、たちまち薄れてしまう。
散策していると空は次第に冬の夕焼となった。
自動販売機で温かい缶コーヒーを買って飲みながら、冬夕焼を眺めた。
冬茜背(せな)に家路を急ぎけり
展望台上れば山の冬霞
関八州見晴台
霞は春の季語だが、冬に立つ霞をいう。
武甲山
風もなく暖かい日など、霞がたなびくことがある。
両神山
冬でありながら春のような穏やかな景である。
丘陵の展望台に上った。
そこからは冬霞のたなびく山々が望まれた。
浅間山
冬霞峡の地蔵に手を合はせ