桜

平安の世を願いたる桜かな



　



バラ科サクラ属の落葉高木。







桜は日本の国花。







山桜、大島桜、江戸彼岸桜など十種ほどの自生種を基本に、

園芸種を含めて百種以上ある。







平安期から観賞用の栽培もされ、現在全国に広まっている

染井吉野は江戸末期に染井村（豊島区）の植木屋で作られ

た品種である。







最近、ミサイルを五発も打ち上げた近くの国もあり、国際情

勢はきな臭いが、いつまでも平和が続きますよう桜に願いを

込めて見上げた。






イヤホンのマリア・カラスや夕桜



　

花見

ほんたうにここは日本か花見客



　



桜の花を観賞して楽しむことをいう。







朝から一人で花見の場所取りをしている女性がいた。

昔から変わらない光景が見られた。







花見をしていると、携帯で写真を撮っている人たちの言葉は、

中国語、韓国語、英語、フランス語とまちまち。

ここは本当に日本なのだろうかと思ったことである。






円陣を組み若者の花見かな



　

初花

初花やボッティチェリ展行かむとし



　



春になって初めて咲いた桜のことをいう。







「初桜」ともいい、その年初めて目にした桜を指す。







桜の咲く時期は品種や地域により異なるので、早く咲く彼岸

桜など特定の品種を指すものではない。







上野の東京都美術館へボッティチェリ展を見に行こうとした。







すると、上野公園の桜がすでに初花をつけていたので、しば

し花見をすることとなった。






今年また生きてゐしかば初桜



　

鶯神楽

気のつけば鶯神楽日溜りに



　



スイカズラ科の落葉低木。







山野に自生するほか、庭木や盆栽として栽培もされる。







三～四月に漏斗状で先が五裂した淡紅色の花を下向きに

つける。







林の中を歩いていて、鶯神楽が咲いているのに気がついた。

それも日のよく当たる所に咲いていた。






鶯神楽ひと日誰とも話さずに



　

土佐水木

土佐水木空より垂れて無風なり



　



マンサク科の落葉低木。

　





土佐（高知県）の山地に自生することからこの名がある。

庭木として栽培もされる。







三～四月、葉に先立って淡黄色の五弁花を穂状に垂らす。







見上げると青空から薄黄色の土佐水木の花が垂れていた。

風はなく、揺れることはなかった。






貫之も愛でしかと思（も）ふ土佐水木