木洩れ日の仄と差しけり百合の花
ユリ科の多年草。
南アフリカ原産。
花は三枚の蕚と三枚の花弁からなり、芳香を放つ。
六~七月頃開花するが、鉄砲百合、山百合、透百合、鹿の子百合など、種類が多く、趣も多彩。
小道に百合の花が咲いていた。
その花に木洩れ日が仄と差してきた。
霊園の柵より百合や足止めて
木洩れ日の仄と差しけり百合の花
ユリ科の多年草。
南アフリカ原産。
花は三枚の蕚と三枚の花弁からなり、芳香を放つ。
六~七月頃開花するが、鉄砲百合、山百合、透百合、鹿の子百合など、種類が多く、趣も多彩。
小道に百合の花が咲いていた。
その花に木洩れ日が仄と差してきた。
霊園の柵より百合や足止めて
新築の家並びをり梅雨晴間
梅雨の最中に晴れ上がることをいう。
梅雨晴間ともいう。
梅雨晴は梅雨が明けた直後に晴天や梅雨明けの意味にも使う。
五月晴も梅雨晴のことで、新暦五月の晴天ではない。
久しぶりに晴れて梅雨晴となった。
歩くと、新築の家ができていて、何棟も並んでいた。
梅雨晴や人出の多き川堤
廃屋の団地となりぬ竹煮草
ケシ科の大型多年草。
本州以西の日当たりのよい野原や空き地などに自生する。
梅雨時から盛夏にかけて、茎の上に大きな円錐花序を出し、白色や帯紅色の小花をつける。
名の由来は、茎が中空であるところが竹に似ているからなど、諸説がある。
古い団地が廃屋となっていた。
その空き地に竹煮草が大きく伸びて花をつけていた。
母と子の楽しげにきぬ竹煮草
パスタ屋へ昼餉をとりに梅雨曇
梅雨時の曇天をいう。
日本付近に横たわる梅雨前線の動きにより、暗雲が垂れ込める。
ときにはうっすらと雲が切れて、一時薄い日差しが洩れることもある。
お昼を食べにパスタの店へ歩いて出かけた。
空は生憎の梅雨曇であった。
梅雨雲のぼかし使ひし鼠色
青蔦や寺領の森の奥の奥
蔦はブドウ科の落葉蔓性木本。
日本、中国、朝鮮半島に自生する。
青蔦は青々と成長した夏の蔦のことをいう。
蔦には常緑性と落葉性がある。
常緑のものは冬も青いので冬蔦、紅葉して落葉するものを夏蔦と呼ぶ。
夏に洋館などの壁面を覆って茂る蔦の緑は涼しげである。
ある寺の広い森の奥へ奥へと行くと、何本もの木に青蔦が巻きついていた。
自然そのものであった。
廃屋と見し家の蔦茂りけり