桜蘂（しべ）降る

桜蘂降る参道を島人と

桜の花が散りつくした後、赤い蘂や萼が降るように散ること。道や地面が散った蘂で赤くなっていることがある。隠岐神社の参道に赤い桜蘂が散っていた。島の人の説明を聴きながらその参道を歩いた。

　




黒木御所跡への道の桜蘂


　

郁子（むべ）の花

船繋ぐ入江青かり郁子（むべ）の花

アケビ科の蔓性常緑低木。関東以西に分布。晩春、白色でやや淡紅紫色を帯びた芳香のある小さな花をつける。花は雌雄同株。葉が七枚、五枚、三枚とつくので、めでたいものとして庭木や盆栽に利用される。隠岐の西ノ島で船を降りた。入江は青く、波もなく静かであった。家の垣根に郁子の花が咲いていた。

　




郁子の花隠岐は半農半漁とふ


　

通草（あけび）の花

鳥鳴きて流人の島の花通草

アケビ科の蔓性落葉低木。北海道を除く各地の山野に自生。晩春、新葉とともに淡紫色の花をつける。雌雄同株。写真は三葉通草の花で、黒紫色。後鳥羽上皇行在所跡の前に勝田の池があり、その脇に通草の花が咲いていた。鶯がよく鳴いていた。

　




後鳥羽院の詠まれし池や花通草


　

蒲公英（たんぽぽ）

蒲公英や後鳥羽上皇遠流（をんる）の地

キク科の多年草。全世界に分布するが、日本では、蝦夷蒲公英、関東蒲公英、関西蒲公英、西洋蒲公英など十種以上が分布している。西洋蒲公英は総苞の外片が反り返るが、日本の蒲公英は反り返らない。写真は隠岐固有の隠岐蒲公英。隠岐に流された後鳥羽上皇ゆかりの地に咲いていた。

　



総苞の外片が反らない隠岐蒲公英

島の子を見ず蒲公英の道をきて


　

春の海

外洋へ切立つ岩や春の海

隠岐の西ノ島の日本海側に、摩天崖と呼ばれる日本一の高さの断崖絶壁がある。その上に立ち日本海を見渡した。ハイキングして下りてきた後、今度は船で海上から見上げた。夕方になったが、春の海が穏やかであった。

　





横から見た魔天崖（この上の草地を手前の方へとハイキングした。）



大き船停めて青しや春の海