絶望といふさまなりし枯蓮
枯れ果てた蓮の姿をいう。
蓮は、冬になると枯れて茎が折れたり、水中に没したりと哀れな姿を見せるようになる。
この頃になると、水の涸れた蓮田で蓮根掘りが始まる。
枯蓮の池があった。
見ていると、枯れた葉はうなだれたように下を向き、皆絶望を絵に描いたような姿をしていた。
枯蓮の水漬きて揺るることなかり
絶望といふさまなりし枯蓮
枯れ果てた蓮の姿をいう。
蓮は、冬になると枯れて茎が折れたり、水中に没したりと哀れな姿を見せるようになる。
この頃になると、水の涸れた蓮田で蓮根掘りが始まる。
枯蓮の池があった。
見ていると、枯れた葉はうなだれたように下を向き、皆絶望を絵に描いたような姿をしていた。
枯蓮の水漬きて揺るることなかり
用水に散りしもあらむ朴落葉
モクレン科の落葉高木。
日本特産。
山中に自生する。
葉の長さは30センチ以上あり、芳香がある。
朴の葉は大きいので、木の周りの広い面積におびただしく散る。
用水沿いの道に朴落葉が見られた。
おそらく、用水に散って流れて行った朴落葉もあるだろう。
朴落葉寺領の森を歩ききて
日を返す蜜柑に足を止めにけり
ミカン科の常緑低木の実。
温州(うんしゅう)蜜柑の類、あるいは柑橘類を総称していう。
日当たりのよい、排水のよい土壌によく育つ。
産地は愛媛、静岡、佐賀、長崎、和歌山、熊本などがある。
とある家の塀の上に蜜柑が生っていた。
冬の日を返して艶やかに輝いていたので、思わず足を止めて眺めていた。
蜜柑むく暇といふにはあらねども
冬三日月雲に隠れてしまひけり
三日月は陰暦の月の三日目に出る月。
また、その前後の細長い弓形の月をいう。
従って、「冬三日月」は冬の時季に見られる三日月をいう。
冬三日月は寒々と冴え、冷え冷えとした思いになる。
夕方、冬三日月が出ていた。
見ていると、次第に黒い雲が流れてきて、隠れてしまった。
冬三日月束の間見えて雲の間
池めぐりきて逆光の枯芒
穂も葉も枯れ尽くした芒をいう。
風に吹かれる姿は侘しいが、そこにまた一つの風情がある。
芭蕉や蕪村には「枯尾花」の用例が多く、花穂の枯れようの哀れを中心に詠んでいる。
だが、現代では「枯芒」と詠むのが一般的で、華やかさも詠むようになった。
池の周りを歩いてくると枯芒が群生していた。
そこから見ると、枯芒は逆光で輝いて見えた。
水車小屋前奔放や枯すすき