関跡の木橋濡らせり秋の雨
蕭条と秋に降る冷たい雨をいう。
「秋霖」「秋黴雨」は梅雨のように降り続く秋の長雨のこと。
一度は行ってみたいと思っていた福島の白河の関跡を訪れ
た。
新白河の駅からバスで40分、最後まで乗客は一人であった。
関跡にある白川神社を参拝する少し前から秋雨が降り出し
た。
神社の裏手をぐるっと回ってくるころには大分降っていた。
境内には源義家の「幌掛の楓」や義経の「矢立の松」「旗立
の桜」などの立札が立っている。
この大きな杉は「従二位の杉」と呼ばれ、鎌倉前期の家人、
従二位藤原内宮卿家隆の手植の杉で、樹齢約八百年と言
われている。
神社から少し歩くと白河関の森公園があり、土産物屋やそ
ば処などの店がある。
そこに芭蕉と曾良の像が立っていた。
「白川の関にかゝりて、旅心定りぬ。」と芭蕉は『奥の細道』
に記している。
みちのくの始まりの地や秋の雨